ホームページ改新にあたり、2005年に発表した會田ボイス整骨院ボイスコラムを載せます。
このコラムは当時の最新発声医学をお伝えしてきました。
既に古い情報となってしまい、現在とは多少異なる見解もあります。
しかし往時の最先端を偲んで訂正せずに載せることをご了承ください。
その点をご考慮いただき、お読みくださいますようお願い申し上げます。



15:サイレントボイス

当院では“歌”そのものを教授していませんが、より上手く歌えるための方策を教示しています。
それは、サイレントボイス。
これまで、魅力ある声は声帯部位より上位で構音されることを繰り返しお伝えしました。
そこで、その構音器官の能力開発トレーニングによって歌唱力を確実にアップさせます。
答えは、『無音で歌う』。
まず、歌詞とメロディを完璧に覚えてからチャレンジしてください。伴奏は必要ありません。自分の声ではなく、なりたい理想の声質をイメージしながら、無音で歌います。
そのとき、『息を止める』または『軽く吸う』状態です。通常、歌うときのブレス(吸気)の場所で、逆に息を吐き出します。ここで、息を吐くときと吸うときを比べてみてください。
一般的に、吐くときより、吸うときに口腔が広くなっているのを感じるはずです。(正確には軟口蓋が上がる状態)
そのことから、巷では「息を吸いながら歌う」といったイメージがまことしやかに囁かれているのです。
必ず、自分がトップアーティストになって大勢の人の前で魅了しているつもりで最高の声を頭に描いてください。
最初はやりにくいと思いますが、何度か続けているうちにコツをつかむと思います。
サイレントボイスによって、声帯より上位の軟部組織を調音トレーニングし、その求める声質に発展させることができます。
野球のシャドウピッチングや剣道の素振りなどに相当します。
さらに、当院で開発した小型スピーカーを用いて、より的確に構音運動に寄与させます。小さな専用スピーカーを甲状軟骨上に密着させて振動を与えます。聴く音楽は具体的な目標とする歌手の歌を選ぶと良いでしょう。家庭での代替品として、ヘッドホンを頚前面に近づけてサイレントボイスを練習するのも良策ですね。
一度お試しください。
きっと効果の素晴しさに驚かれるはずです。
さあ、サイレントボイスを繰り返し練習して、自分の意図する低音から高音まで、最高のボイスライフをお楽しみください。



どんな声を自由自在に出したいですか?

輝きながら伸びる高音派・・・

心に響きわたる中低音派・・・


あなたはどっち?







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お礼

會田ボイス整骨院旧ホームページのボイスコラムは多数の方々にお読みいただきました。そして、多くのご意見や感謝のお便りを受けました。
ありがとうございました。
歌手を目指す中学生から、遠くはイタリアに在住するオペラ歌手まで、プリントアウトしてBibleのように持ってくださった人も多数いらっしゃることを知り誠に感激いたしました。
近年では、医師との共同研究や米国学会での研修により、日々新たな真実が解ってきました。それをお伝えするのが役目と考え、ますます邁進する所存でございます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

                         會田茂樹



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~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
# by aida-voice | 2008-03-07 23:48


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14:お手軽ボイスメンテナンス・・・

いつでもどこでも一瞬にして美声になる極意
発声の練習や歌うトレーニングだけでなく、喉頭筋周辺の簡単マッサージやストレッチングにより、効率の良い発声を目指しましょう。
歌や声を披露する本番前や準備に役立ちます。
自分でできるものもありますが、なるべく発声と解剖に詳しい他の人にお願いしてください
≪顎関節のマッサージとストレッチング≫
マッサージにより関節および関節円板の動きを滑らかにし、発声時に共鳴腔を増大させて輝く伸びやかな声を可能にします。

まず、顎関節を捜しましょう。外耳孔の前、または耳珠の付け根にあります。
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口をガクガク開閉すると、やや凹む場所です。



両手の2、3、4指で顎関節の周囲を優しく揉みほぐします。
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顎が垂直に降りるように押し下げながらゆっくりストレッチします。
これらを3~5分続けると、顎関節がかなり柔らかくなります。
さらに、顔の筋肉(咬筋、口輪筋、大小頬筋、眼輪筋、側頭筋など)をマッサージすれば表情に艶が出るでしょう。
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≪舌骨の筋付着部のマッサージ≫
舌骨に付着する舌骨下筋群と舌骨上筋群の一部をマッサージすることにより、筋緊張を取り除いて柔軟性を高め、フレキシブルな音域と俊敏性を得るのです。
この辺りの筋肉は非常に小さく繊細なため、熟達しなければ的確に探せません。
当院ではそれらの筋肉一つひとつに対してアプローチしております。
喉仏のやや上に硬い骨を触ることができます。
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唾を飲み込む動作で確認しやすいでしょう。
親指と人差し指でつまんだり揺らしたり、この舌骨の上下の部位をゆっくりとマッサージします。
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上に移動して、舌筋周囲のマッサージもすれば舌運動の反応性が向上します。
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≪胸鎖乳突筋のストレッチング≫
喉に直接影響はないが、この筋肉のテンションをコントロールすることで、喉の筋群を動きやすくします。
また、喉頭が楽に下がるようになります。
顔を左右どちらかに思い切り回旋させると、耳後ろから鎖骨と胸骨のあたりまで太く張る筋肉を見つけることができます。
これが胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)。
軽くつまむように、筋肉の全体をマッサージします。
45度くらい首を回旋させ、下顎角を上に向けることによってストレッチします。

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≪大小菱形筋のマッサージとストレッチング≫
肩甲骨の動きを良くし胸郭を広げて、呼吸と発声時の姿勢に好影響させます。
腹臥位(うつ伏せ)で寝た状態で、肩甲骨の内縁を親指で深く押圧します。
次に、指が肩甲骨の下に入り込むようにマニュピレーションを行います。
肩関節を内転させて肩甲骨が滑って移動するようにストレッチします。
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※重要なお知らせ
頚・喉は、甲状腺はもちろん耳下腺や顎下腺、さらには頚動脈、リンパ節、神経叢が存在するデリケートな部分ですから、くれぐれも無茶な素人療法をなさらないようご注意申し上げます。ボイスケアは、會田ボイス整骨院にお任せください。





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# by aida-voice | 2008-03-07 23:28


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13:高音で歌うためのヒント

昔に比べ、最近の歌は高音の音階部分が多くなってきたように感じます。オペラでも、ソプラノやテノールがメインですし、歌謡界でもハイトーンな歌が流行っています。
「どうしたら歌が上手くなるのか?」の質問の次に多いのが、「どうしたら高音が出るのか?」です。
喉の構造解剖的には輪状甲状筋の活躍と反応の向上、甲状軟骨を下制するための筋群の強化などが挙げられます。これらは残念ながら、頚のどこかを押してハイ完成とか喉を捻って即OKとか、簡単に輝くような高音を出すようにはできません。
的確な施術と熱心なトレーニングが必要です。
だからこそ彼らは高音で人々を魅了してお金を稼ぐことができるのです。諦めずにチャレンジすれば必ず可能になります。なぜなら、声は軟部組織と筋肉によって作られるのですから。さらに、それらの筋は小さいためスポーツほどの強大な筋力は要りません。だから80歳を過ぎても、若々しい美声で高音を歌う声楽家も存在するのです。
皆さんも、美しい高音を獲得するために一緒にがんばりましょう。
ここで、高音で歌うための普遍的な三大ヒントを列挙します。
最高音の前音のピッチを意識的に高くする。
理由:高音に対する喉の準備を促すため。
音程が下がるときこそ高音を意識する。
理由:安堵により筋が弛緩してしまい、再度高音へ移行できなくなってしまうから。
高音ほど息の流れを細くする。
理由:薄く伸ばした声帯に大量の息は不要。





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# by aida-voice | 2008-03-07 23:25


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12:輝く声が人を魅了するパート7・・・アクティブボイス

これまでボイスメンテナンスで、皆さんの喉と声を施療整備するお話をしてきました。
このメンテナンスにより、喉周辺筋の筋力強化と柔軟性と反応性が高まった状態をアクティブボイスと言います。
このアクティブボイスを使いこなすことによって自信が生まれ、コンサートや発表会のような緊張した場面でも泰然と臨んで成功を収めることができるようになります。
野球で例えるならイチロー選手や松井選手のような一流のスポーツプレーヤーです。プロ野球選手として活躍するにはセンスや体格が必要でしょう。誰も彼もが確実にトップアスリートになれるはずがありません。けれどもご承知のように、彼らは野球プレーの技術練習はもちろん、肉体の鍛錬は並大抵ではありません。弛まない努力が彼らの成功を支えています。
声は、生来持って生まれた能力に大きく影響すると言われています。しかし、論理的かつ合理的にトレーニングすれば、アクティブボイスによって美声を獲得することができます。
そうです、一流に一歩近づきます。
超一流になって世間から評価されるには、運やタイミングなどの他の要素もからんできますが、努力相応のポジションは得られるものと固く信じています。元々の才能だけに頼りすぎていると墓穴を掘りかねません。
さあ、あなたも成功のために、その維持のために、アクティブボイスを習得してください。
※下の写真は、喉を詰めた状態の発声時の口腔【上】と、アクティブボイス状態での発声時の口腔【下】を歯科大学病院で撮影したもので。
                
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# by aida-voice | 2008-03-07 23:10


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11:輝く声が人を魅了するパート6・・・琴線に触れる声は「間(ま)」が命

声の原点に立ち戻ってみましょう。
声は何のためにあるか?
まず動物は、一般に唸り声や吠え声で縄張りを主張したり警戒を表したりします。人間の場合は、主にコミュニケーションの手段となります。つまり、意志の伝達という目的があって、その後に歌詞の付く歌が生まれたのです。
ハミングや鼻歌でも意思を伝えることはできますが、受け手の感受性によって正確さに欠けてしまいます。 
その点、歌詞を伴う歌は、ある程度正確です。
歌詞に「私は待っている」とあれば、歌の中の主人公が誰かまたは何かを待っている様子は歴然です。これを、お腹がすいたとか、体のどこかが痛いなどと受けとる人はいないでしょう。そう、声や歌とは、自分の考えや思いを他者に伝えることなのです。他者に伝わってこそ大いなる意義を持ちます。そのとき、自分の気持ちや願いを相手により良く伝えたいと考えるのは当然です。
相手の心を揺さぶって突き動かすこと。それには耳を傾けさせる、それも親身に聞くよう仕向けなければなりません。
相手に「聞きたくないな」とか「つまらない」と思われたらおしまいです。
声は高低、音質、強弱の三要素からなり、これまで、ボイスメンテナンスで喉周辺の筋力強化によってそれらの反応力をアップさせてきました。その最後の仕上げとして、三要素を結び、磨き上げるのが「間」です。
会話でも、歌でも、相手の琴線に触れる説得力のある声には「間」があります。言葉と言葉の「間」、フレーズとフレーズの「間」、これが大切。この「間」は息継ぎの休みではなく、息の流れでつなげることが最大のポイントです。
内容が一続きするシラブルは、読点や休符があっても、息を流し続けるつもりで対処すると素晴しい「間」を展開することができます。
音楽は楽譜によってずいぶん制限されるためブレスやスラーなどを守らなければなりませんが、話し言葉はその時々の気分やTPOに応じて長くしたり短くしたりと、「間」を操作すれば効果的です。ちなみに早口言葉も、あまり口をパクパク開けたり顎をガクガクさせたりせずに、息の流れを保ちながら一気呵成に発声すれば、成功の可能性が高くなります。
早口言葉は、一つひとつの単語をはっきり発音しようとし過ぎて構音がうまくいかず、言葉を咬んでしまうのです。
これも単語と単語を息でつなぐ、一種の「間」の使い道です。

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# by aida-voice | 2008-03-07 23:02