ホームページ改新にあたり、2005年に発表した會田ボイス整骨院ボイスコラムを載せます。
このコラムは当時の最新発声医学をお伝えしてきました。
既に古い情報となってしまい、現在とは多少異なる見解もあります。
しかし往時の最先端を偲んで訂正せずに載せることをご了承ください。
その点をご考慮いただき、お読みくださいますようお願い申し上げます。



8:輝く声が人を魅了するパート3・・・舌骨は発声のポイント

舌骨は一風変わった骨です。200以上ある人間の骨の中で唯一中空に浮いている。
第3頚椎の高さにあり、馬蹄形で、喉頭蓋軟骨を囲むように位置します。
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舌を支える機能を有していますが、多くの筋肉(外喉頭筋群)が付着しているのです。外喉頭筋は舌骨下筋群と舌骨上筋群に分けられます。
この上下の筋群(一部を除く)が舌骨を境に引っ張り合うのです。浮き輪に2本のロープを結んで、反対方向に引っ張り合うようにイメージすれば良いでしょう。舌骨上筋群が舌骨下筋群の力に勝れば、舌骨が上昇し、舌、特に口腔の広さに関与する舌根が上がってしまいます
こうなると共鳴腔が狭まることに他なりません。反対に、舌骨下筋群が舌骨上筋群の力に勝れば、舌骨が下降し、舌根が下りて共鳴空間が作られます。
ただし、どちらか一方の力が強すぎる場合は、過ぎたるはなお及ばざるがごとく、喉そのものが上がりすぎて平らな声を余儀なくされたり、喉頭が下がりすぎて息の流れが阻害され発声が困難になったりするので、十分に注意しなければなりません。
舌骨下筋群と舌骨上筋群のバランスが大切です。常に活発かつ自在にコントロールできるようメンテナンスすることが望ましいのです。
当院では、これらの各筋に直接アプローチする手技と物療(電療、温令療法など)を行っております。
この部位近辺は、甲状腺はもちろん耳下腺や顎下腺、さらには頚動脈、リンパ節、神経叢が存在するデリケートな部分ですから、くれぐれも無茶な素人療法をなさらないようご注意申し上げます。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
# by aida-voice | 2008-03-07 22:51


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7:輝く声が人を魅了するパート2・・・胸鎖乳突筋、輪状甲状筋、外咽頭筋群の重要性

前章では顎関節の重要性を説きました。本章は、筋肉について述べます。
良い声にするためには、共鳴が必要なことを繰り返しお伝えしました。
ここで、良い声についてもう少し掘り下げて考えましょう。オペラでも歌謡曲でJポップスでも、上手い歌手と言われる人達がいます。
それぞれの分野を歌っている知人に、歌唱力があると思う歌手を選んでもらい、それら歌手の画像を交えて声をつぶさに独自検証してみました。
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表記のほかに、クルーン唱法のフランク・シナトラや、スキャットテクニックでジャズ女王の名声を得たエラ・フィツジェラルドなども、喉を下げた状態で歌唱していることが判明しました。
オペラで話題になるベルカント唱法も同じです。
さて、人には音に対するそれぞれの好みがあるため、完璧な『良い声』の定義は難しいのですが、低音から高音まで音域があって、耳障りのない豊かで輝く声であれば、大概の人に受け入れられるでしょう。(ここではリズムやテンポの問題を省く)
よくカラオケで見かけますが、低音が腑抜け状態、高音が出ていない、喉を絞って無理矢理発声しているなど、自己満足なら構いませんが、他人に迷惑をかけるような歌い方をしている人が少なからずいらっしゃいますよね。
それらの状態を呈するほとんどの人は、顎がやや上がった状態で、それに伴い喉頭も上がってしまっているのです。
良い声を出すには喉を下降させた状態で歌わなければなりません。
喉が的確に下がっていると、低音も充実し、高音にいたるまで伸びやかに発声できるようになります。ただし、喉の下げすぎは息の流れを閉じてしまい、逆に美声にならないので要注意。
喉頭すなわち甲状軟骨を下げる役目は外喉頭筋(胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、肩甲舌骨筋)です。
これらの運動能力をアップさせ、長時間歌っても疲れないスタミナを身に付ければ、あらゆる状況下で美声を発揮できるはずです。
今般、当院の技術によって、外喉頭筋の施術が可能になりました。
頚・喉にある筋肉の多くは小さく細かいため、メンテナンスには専門の知識と経験が必須なのです。
勘違いしないでいただきたいのは、喉周辺の筋肉をボディービルディングのように鍛えてモリモリにするのではありません。
レスポンス(反応)の俊敏な“デキル”筋肉にすることが肝要なのです。そして、さらに持久力をつけること。これで弱い喉から脱却できます。
ところで、一般的には喉に関連しないと思われていた胸鎖乳突筋の筋能力と柔軟性が、歌唱に大変有効であることを掴みました。
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胸鎖乳突筋は、二つの筋頭からなり、胸骨と鎖骨より乳様突起までつながっています。機能は三つあり、第一に頭部を固定した状態で胸郭を持上げて深く息を吸い込む、第二に胸郭が固定されている場合は頸部を屈曲させる、第三に片側だけが働くと頭部が側屈し反対側へ回旋する。
この筋肉は頸部前面の中で最も強大であるため、ボイスメンテナンスでコントロールすれば、下層にある外喉頭筋群にも好影響を与えるでしょう。
胸鎖乳突筋は皮膚上から触りやすいため、一般の方でも簡単に見分けがつき、筋トレやストレッチがやりやすい利点があります。
この章の最後に、輪状甲状筋の大切さを語りましょう。歌謡曲やポップスを習っている人は、もしかすると聞き覚えがある単語かもしれません。三重大学教育学部教授の弓場徹(ゆうば とおる)先生をご存知でしょうか。「歌う筋肉」で輪状甲状筋を鍛えることを提唱されています。弓場先生は、息をもらした裏声と息もれしない表声を融合させるYUBAメソッドによって、これまで多くのオンチの人を矯正してきました。当院でも、輪状甲状筋は非常に重要な筋肉だと考えております。
この筋肉は内喉頭筋に属しているため、その存在を意識したり自発運動をしたりすることが困難です。しかし、他の内喉頭筋と違って甲状軟骨の外側に付着しているため、注意深く探すと位置を知ることができます。
手技に熟達すれば、皮膚および広頚筋の上から一部を触れることができます。(ただし、胸骨舌骨筋が正中近くまで存在するタイプの人は不可)
注意として、甲状軟骨の前面やや下に、代謝と成長をつかさどるホルモンを分泌する甲状腺があるため、素人判断の手技やメンテナンスは危険です。
経験を積んだ専門の我々に任せてください。




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# by aida-voice | 2008-03-07 22:48


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6:輝く声が人を魅了するパート1・・・答えは顎関節の柔軟性

声楽を習い始め、オペラ大好き人間としてエンリコ・カルーゾー、ベミアミーノ・ジーリ、ルチアーノ・パヴァロッティなどのテノールを好んで聞き込んでいたため、彼らのような美声が出るのを期待していました。
しかし、当たり前なのですが、そのような声は出なかったのです。
耳障りで押しつぶしたようなガサツな声。最初の一年は落胆しました。才能の無さを呪い、高年齢を言い訳にして、それでも週5日の練習と考察に明け暮れました。
続けて、続けて、続けること。
そして、ついに自在の音声を獲得したのです。(ただし、一流の声楽家のような美声でないことをお伝えさせていただきます)
そこには、これまでの柔道整復師として医療に携わった経験と知識が役立ったのでした。
イメージはとても重要です。アメリカ大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手もイメージの大切さを語っている。何度もバットを振りながらヒットのイメージを重ねる。ボールを追っかけフェンスに駆け上がってキャッチするイメージを思い描く。
行動や運動の全体像が具体的に見えたり十分理解できたりする場合は、強くイメージして繰り返すことは大変有効な手段です。
しかし、あまりに現実味の無い突飛な発想や空想にしか思えない場合はどうでしょう。
歌を習っていると、「頭の天辺から声を出しなさい」「喉の中に空気の柱や噴水の頭のところに乗っかっている感じで歌いなさい」「口から前に出すのではなく反対の方向へ行くような感じの声」「同時に息を吸い続けるように歌いなさい」「声を鼻の周辺に集めて」「舌の後ろから食道の方へ鶏の卵を入れるように喉を開けて」などのように、つかみどころのない例えで指導されることが多々あります。
何となく分ったような気もしますが、どこをどうすればそのイメージに合った状態になるのか、皆目見当もつきません。きっと、少なからずこのような経験があることでしょう。
そこで、論理的に解決できないかと熟考し研究を重ねました。
幾つかの結論に達し、それを検証して確信を得るに至ったのです。
その一つ目は顎関節の柔軟性です。顎関節の構造と開口について簡単に述べてみます。
顎関節は側頭骨と下顎骨の関節突起とでジョイントされ、関節内に二層構造の結合組織からなる関節円板が存在します。
開口のメカニズム
動作の状態
関節突起が関節円板と一緒に前方にスライドしながら下方へ下がる。
関与する主筋
外側翼突筋(二側に分れ、上側頭は蝶形骨大翼から、下側頭は蝶形骨翼状突起外側板から下顎骨関節突起頸部へ)の下側頭が作用
関与する補助筋
顎二腹筋の前腹、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋が、下顎骨を固定された(安定位置)舌骨へ引っ張り下げる
その他に関与する事象
重力
過去に顎関節症(側頭下顎骨関節症候群TMJ:女性に多い顎関節の異常で、噛み合わせの悪さや片側で噛む癖、ストレスの緊張によっての発症などさまざまである。主な症状として、開口時や咀嚼時に顎関節周辺に痛みを感じる。頭痛、首の痛み、肩こりを伴うことが多い。カクンとかガサガサという音がすることもある)を施療したときのことを思い出しました
TMJの患者様は、ほぼ一様に若干こもった声を発していました。
その訳を考えたとき、開口が不十分なために口腔での共鳴が上手く行かないことが解りました。構音の際、やはり共鳴腔が必要不可欠であることを再認識したのです。特に体積の大きな空間を制すれば、豊かに輝く美声への近道と考え、口腔に目を向けました。
ならば「口の中を広げればいい!」
なるほど、口を大きく開けさえすれば良いのだろうか。何も考えず口だけ最大に開いて発声すると、思いのほか口腔は狭くなり、喉の詰まった貧弱で平たい声しか出ません
これは、関節突起が前方にスライドして開口した状態で、口腔狭部(軟口蓋の鼻側の傾斜部と中咽頭への開口部)がひしゃげ、舌根も盛り上がり、共鳴がうまくいかないのです。
よって、舌根を意識的にやや下げ、顎を引き込みながら柔らかく下降させます。そう、開口でなく下降または下制です。

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この引き込みは、側頭筋の後部線維の収縮によってもたらされ、補助として咬筋の深部、オトガイ舌筋、顎ニ腹筋も関与しています。
これら顎関節の一連のスムーズな動作によって大きな口腔が出来上がり、共鳴する発声が可能になります。
これまでに診てきた歌い手の顎関節を調べてみますと、動きの固い人が多く、そのため口腔を上手く使いきれていないように思いました。
当院では、顎関節の可動域を拡大し滑らかな動きに改良するための最適な手技と施療を行っています。
主な内容は、顎関節のモビリゼーション、顎および舌骨周辺筋のマッサージとストレッチング、低周波ポイント通電による筋強化などです。




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# by aida-voice | 2008-03-07 22:24


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5:発声はスポーツだ!・・・筋肉を活かしたアクティブボイス

私事ですが、四十歳を超え初めて本格的に声楽を学ぶチャンスにめぐりあいました。
不惑の歳ゆえプロ歌手など目指していませんが、十代の学生のように理由も分からず形而上の概念だけで練習するのではなく、これまでのオペラマニアと医学知識を総動員させて、「どうすれば響くのか?」「輝く高音の出す方法は?」など、真剣に研究しました。
まず、喉と声にかかわる書物や医学書を読み漁ったのです。
さらに咽頭模型を購入し立体的に精査しました。
それだけでは足りず、機能を理解するため、東急ハンズで材料を買い揃えてオリジナルの模型を作ったりもしました。
そのとき、ひとつ気付いたことに、意外にも関連書籍の少なさがあったのです。
「なぜ、分りやすい書物が少ないのか?」「どうして『これが発声の真髄だ!』と確立されたバイブル的書籍がないのか?」などと煩悶しました。
熟考し、そして読み解くにしたがって答えが分ったのです。
それは、≪発声はスポーツに似ている≫ということだったのです。
この言葉に驚く人も少なくないかもしれませんね。
すでに記載しましたように、音声は声帯が振動して発声しているのは誰もが知るところです。声帯が、ギターの弦やクラリネットのリードのような金属とか木の物質でできていると思っている人はいないでしょう。
そう、声帯は粘膜と筋肉でできている。
その声帯を震わせ、咽頭や口腔の各部で共鳴して構音(または調音)しますが、それには多くの小さな筋肉が関わっていることも知りました。
つまり、筋肉を動作させて声を出しています。筋肉の動き次第で、輝く高音を出したり響き渡る低音を出したりすることができるのです。
ただし、喉周辺の筋肉は小さく、確かに随意筋ですが、自分自身では存在を意識できないため、鍛えたりストレッチングを施したりするのは、はなはだ困難なのです。
そこで、それらを可能にする方法や施術はないかと研究に勤しみました。
「発声と似ているもの似ているもの・・・、そうだスポーツだ!」と閃いたのです。発声はスポーツに似ている事実を悟ってからというもの、多種多様の筋肉を活かして役立つ手段と技術を発見しました。
もちろん筋肉を活かすだけではスポーツも発声も100%にはなり得ません。
当たり前のことです。筋トレのみで、大リーガーのイチロー選手や松井選手のようには決してなれません。
しかし、彼らは筋トレやストレッチングなど基礎トレーニングを疎かにしない不断の努力によって現在の地位に至り、それを死守しています。
ところで、よく質問を受けますが、良い声を出すにはどのくらいの量や時間のトレーニングを必要とするのでしょう。喉の周りの筋肉は小さく複雑です。また、声帯は12mm~20mmの小さな組織です。
これを伸展させたり弛緩させたり、喉頭室や咽喉のポジションを的確にするのには大きな力は要りません。しかし、ここぞと言うときや美声を求めるなら、筋肉の動きと反応そしてスタミナはとても重要になります。
筋力に自信が持てるようになることで、筋肉や体をリラックスさせる能力も備わります。それは、コンサートや舞台発表などの本番で、緊張せずに最大の力を発揮できるということです。
研究の結果、最良の喉の状態であるアクティブボイスにするためのボイスメンテナンスを見出したのです。
また、若干閑話となりますが、スポーツ選手は往々にして歌の上手な人が多いものです。
独自に推察してみますと、運動自体が声帯周辺筋肉群にもプラスの作用を促すものと考えられるのです。
筋肉強化やストレッチングなどの基礎トレーニングだけでなく、スポーツ競技全般に言えることは、テンポ(速さ)とリズム(律動)の存在でしょう。
野球はピッチャーの投げたボールをバッターがタイミングを合わせて打つ。サッカーはチームプレーヤー同士で素早くパスしてゴールへ導く。相撲や剣道は一瞬の立会いの間合いが非常に大切です。陸上競技の100m走でも、スタートの時機が肝要で、足の歩幅や手の振りのテンポがタイムに影響します。
このように、どのスポーツでもテンポとリズムが重要なのです。
以前、ある小学校合唱部の喉の相談にのったことがありました。担当教師から、リズム感の悪い生徒の改善方法を求められました。そこで、合唱練習の前に毎回、鬼ごっこまたはドッチボールをアップトレーニングとして取り入れるよう提案したのです。
数ヶ月後、その先生から「以前に比べ、生徒のリズム感が格段に向上した」との報告をいただきました。
このことからも、スポーツによって歌唱時のテンポとリズムが良くなり、さらに発声そのものも安定するのです。
さあ、もう一度お伝えします
発声はスポーツだ!

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# by aida-voice | 2008-03-07 22:16


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4:発声の科学を知ろう

これまで皆さまの健康の一助になればと願い、医療と技術の研鑽に勤しみながら、大勢の患者様の施術を担ってまいりました。
十年間で延べ40万人以上の来患です。
柔道整復師という医業類似行為者として、筋、骨、靭帯などの軟部組織の外傷(骨折、捻挫、打撲、挫傷)を扱ってきました。そこでの対象の部位は、肩腰であったり手足であったり肘膝であったり、比較的大きな部位でした。さらに、そこには僧帽筋、広背筋、上腕二頭筋、大腿四頭筋、総指伸筋、腓腹筋等々、頻繁に名の出てくる著名な筋肉ばかりです。
数年前から発声と喉の研究を始めましたが、喉周辺ほど複雑で細かい筋肉は他の箇所にはありませんでした。
解剖や生理に関連する耳鼻咽喉科学や音声学の難しい専門書籍は多少ありましたが、ボイスメンテナンスに有用な文献は非常に少なく、理論構築と技術習得に相応の時間と労力を要しました。
知れば知るほど喉は『生き物』であり、唯一無二の結論には至りませんが、ここでこれまでの成果を皆さまにお伝えできるのは至福の極みでございます。 
発声のメカニズム
これまで『パフ理論:呼気時に声帯が開閉して声門上部の空気中に振動活動を起こす気流が生じて声になる』、『神経クロナキシー説:声帯が振動する割合と神経インパルスが喉頭の筋組織を刺激する割合とが関連しあって声になる』と発展してきたが、最新の有力説は『空気力学‐筋弾性説』だそうです。
これは、披裂軟骨に結合している筋群が声帯を内転させ声門(声帯の間にあるすきま)が狭くなります。
次に、気管からの呼気は声帯と声門に当たる。
圧力が高まって、呼気は声帯をすり抜け、それにより声門下は再び陰圧になって声帯は内転します。(ベルヌーイ効果)このことから声門で受ける抵抗は少しずつ増して行きます。そして、耐えきれなくなった声帯は瞬時に離れて呼気が放出され、一連の行動が規則的に繰り返されます。呼気の急流が上気道で気圧の障害波(音圧波)を生じさせたとき原音が生じるのです。
これが『空気力学‐筋弾性説』の発声メカニズムです。
解剖図とにらめっこしながらイメージしてみても、すぐに理解できないほどの難しい理論でしょう。
声帯で生じた音は喉頭原音と呼ばれ、軟部組織の声帯が“ブォー”と力無く鳴るだけ。
喉頭原音は(息と共に)上行して口や鼻などから声として出て行きます。それまでに喉頭室、喉頭前庭、咽頭、鼻腔、舌などの器官が、からまった縄のように関係しあって構音や調音、つまり音を味付けします。
つまり、軟部組織の形を駆使してさまざまな音を生み出すことにほかなりません。
以上のことから、完全に解明されていないのも主因ですが、甲状軟骨内にある声帯や内咽頭筋を直接コントロールして、より良い声を得るような手段を模索するのはかなり困難であると考えられます。
そこで、当院では発声のメカニズムを明確に説き明かすことが主眼ではなく、喉周辺の筋肉にさまざまなアプローチを施して、美声の獲得や歌唱力のアップを目的としました。
そして、顎関節の柔軟性、胸鎖乳突筋・輪状甲状筋・胸骨舌胸筋のストレッチと筋力アップ、舌骨のポジション効果、大・小菱形筋や広背筋の活躍、息の流れと姿勢など、多様なスキルアップノウハウを開発しました。
これらを達成したとき、得られる美しく輝く声を『アクティブボイス』と命名しました。
アクティブボイスを獲得するための施術をボイスメンテナンスと言います。
クラリネットやオーボエのような木管楽器を思い浮かべてください。
特徴は、シングルまたはダブルの振動版リードを楽器の先端に設置して奏者の口から息が吹き込まれます。
これらの楽器はリードを付ける先端部分、その下の指孔のない短い部分、指孔がある調音する長い本体部におおむね3ピース以上に分解することができる品が多くあります。
このリードだけあるいはリードの付いた先端部だけを取り出して鳴らしてみると、誰もが知っているきれいな音ではなく、“ブォー”と愚音が聞こえるだけです。
まさに声帯での喉頭原音と同じです。
次に、その下の指孔のない短い部分をジョイントして吹いてみると、先ほどよりは整った音になりますが、依然平たくつまらない音です。
最後に、指孔のある部分をセットして吹けば、豊かな音が聞こえるのです。
今度は弦楽器であるギターやバイオリンで考えてみましょう。
弦楽器の名のごとく弦を使用して発音しますが、ギターは指やピックで弾き、バイオリンは馬の毛の弓で弦をこすります。
弦だけを取り抜いてピンと張り、それを弾いたり弓でこすったりしても、通常耳にするような豊かな音は再現されません。小さく“ビンビン”または“ギーギー”と寂しく鳴るだけです。
ギターでは、響孔のあるくびれた胴(響板)がなければ、またバイオリンではf字孔のある中空の共鳴胴がなければ、正しい音は鳴らないのです。
ピアノはどうでしょう。
ピアノは、ケース内部にあるハンマーで弦を打つ鍵盤楽器です。
同様に弦だけ取り出してピンと張り、ハンマーで打っても、誰もが良く知るピアノ音にはならないでしょう。
ピアノは響板とケースがなければなりません。
その他、トランペットのような金管楽器でも同様。
つまり、すべての楽器の音源は他愛もない小さな音ですが、共鳴させる空間や板や胴が存在してこそ、音色の豊かな個性ある楽器となり得るのです。
人間の声も同じです。
音源である声帯の喉頭原音が喉頭室、喉頭前庭、咽頭、鼻腔、舌などによって共鳴し音色をつけて最終的に発声されるのです。
もう一度バイオリンで詳しく検証してみましょう。
バイオリンには、乾燥させたスプルース材(エゾマツの類)の表板、乾燥させた楓(かえで)材の裏板、横板、ネック、指板、ペグ・ボックス、ペグ、ブリッジ、テールピース、f字孔などの部分があります。
表板、裏板、横板をはりあわせて、中空の共鳴胴が作られます。
共鳴胴の内部には、ブリッジの右の根元に魂柱(うすい木片)がはめられ、表板と裏板を支えています。
表板の裏にはブリッジの左側に細長いバス・バーが貼られています。
魂柱とバス・バーは音の伝達にとって重要であると同時に、楽器の強度を増す役目があります。
弦はテールピースに固定され、ブリッジにのせ、指板の上に張り渡されてペグ・ボックスに至り、ペグ・ボックスで弦は音高調整のためのペグに巻きつけられます。
奏者は左手の指で弦を指板に押し付けて、異なる音高を出すのです。
正しい角度に弓を構え、ブリッジの近くで弦をこすると、弦が振動して音が出ます。
前述の説明文を元にバイオリンの発音構造と人間の発声構造を比較してみましょう。

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ここで、演奏技術とか高級品とかは除外し、一般的なバイオリンの音色を変える、つまり良い音を出すにはどこに重点を置けばよいでしょうか。
弦や弓を最高品にしても大きく変化しないのは明白。
スクロール、ペグ、ブリッジ、テールピースなどの部品を交換してもそれほど効果はないと考えられます。
やはり、表板、裏板とf字孔の胴全体が関与しているのは火を見るより明らかですよね。
この部分の振動率を高くしたり共鳴効果をアップさせたりするのが、全体として良い音につながります。
バイオリニストの垂涎の的であるストラディバリウスやジュゼッペ・アントニオ・グアルネリのバイオリンは胴が名器であって、決して弦ではないはずです。
弦をギュッと張ることのできるしっかりしたペグやブリッジの取り付け。
すなわち、声帯を張るための内喉頭筋の強化と、舌骨付着筋群をコントロールして喉頭を安定させる。
共鳴を促進するバイオリンの立派な胴の製作。
すなわち、声帯より上の共鳴腔を活躍させるための外喉頭筋の筋トレとストレッチング。
このような具体的なボイスメンテナンスをすることにより、あなたの声をストラディバリウスのように美しく鳴らそうではありませんか!



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