ボイストレーナー論


ボイストレーナーに関する多くの質問をいただきます。
「優秀な先生を紹介してください」「自分に合ったボイストレーナーは誰ですか?」など多岐にわたります。
残念ながら、当サロンでは歌唱法や発声法には関与していませんので、お答えできないのが現状です。

さて、当サロンには、多数のボイストレーナーの方々が来ます。
喉の調子を悪くして改善したい人から、最先端の発声医学を体得したい人まで・・・
さまざまな先生を目の当たりにして、ボイストレーナーになる経緯には、2種類のパターンがあることに気付きました。
①歌と教えることが好きでボイストレーナーになった先生
②歌手であるが歌だけでは食べていけないのでボイストレーナーをしている先生
どちらが良い悪いはありません。
しかし、①の先生のほうが、正しい発声医学を学ぼうという気概にあふれているのは確かですね。
②の先生は、例えれば、一流のカーレーサーだがマシンに関しては全く無頓着な選手のようなものです。
つまり、自分は最高の歌唱テクニックを持っているにもかかわらず、構造を説明したり現象を解説したりできないため、生徒に正しく伝わらないことが多いようです。
この場合、歌がうまくなるかどうかは、生徒の喉頭運動能力と音楽感知能力にかかってきます。
また、人間としての性格や相性もありますから、確定的に「この先生がベストだ!」と断言できないのです。

あなたの喉と声を正しく理解してくれるボイストレーナーを見つけてください。

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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)



追記1:ボイストレーナーに関するメールを本当に多くいただきます。現在、上記の理由から紹介や斡旋は行っておりませんのでよろしくお願い申し上げます。
ボイスアドバイザーの資格を持っている先生がお薦め!!!》



追記2:思い通りの喉運動ができていなければ、どんなに優秀なボイストレーナーについて習ったとしても、歌は絶対にうまくなりません。発声はスポーツと言っても過言ではありません。まずは、基礎的な喉筋の運動性をアップさせましょう!




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-08-04 17:18

美声を作る

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まず、喉が痛い場合は最初に耳鼻咽喉科医に診てもらいましょう。(信頼のおける優秀な医師でなければなりません!)
声帯や内喉頭に問題がなければ早速始めましょう。
美声の定義はさておき、他者が聞いて「声が良い」「音色がステキ」「歌がうまい(ここでは歌唱力を除きます)」と言われれば美声として合格でしょう。
美声を作るにはどうすればよいのか?
多くの質問をいただきます。
それには『声』の本質を知らなければなりません。
簡単におさらいしましょう。
①声は、声帯を含め、すべて筋肉によって作られる。
②声帯は、もともとエラ呼吸から肺呼吸に進化した際にできた防御壁のようなもので、それからさらに進化した声帯を動かすための筋肉は細かく複雑である。
③声は、楽器に例えられる甲状軟骨および舌骨の大きさと形状と、スポーツに例えられる喉頭周辺筋の運動能力の、二つの要素が絡み合って作られる。
④声の変化および聞こえの良さは、声帯そのものならびに形状が不変の甲状軟骨および舌骨の関与よりも、各種共鳴腔(喉頭室、梨状陥凹、咽頭、口腔、鼻腔など)の構築能力に大きく関与する。
⑤各種共鳴腔は軟部組織で形成され、適切な開発によって随意運動能力を促進させることができる。
⑥喉頭周辺筋は、体調やメンタルの影響を受けやすい。
⑦大多数の人は喉頭の筋肉を100%使い切っていない・・・
⑧声は、呼吸や姿勢にも大きく関係している。
⑨肋椎関節の硬い人は横隔膜の運動性が低下している。
⑩声帯は自分では動かず、周辺の筋肉によって動かされている。(多少の収縮運動は行っている)
これらをフル活動させ美声は成り立ちます。
複雑と言ってしまえばおしまいですが、歩行や走行などと同じ筋運動ですから、最初からできている人や会得した人にとっては無意識下の簡単なことなのです。
しかしながら、本当に多くの人が喉頭の筋肉をうまく使っていない。
四肢の運動と異なり、喉頭の運動は目に見えず、その感覚がわからないので、正しく動いているかどうかを知る由がありません。
したがって、何らかの物理的原因で輪状甲状関節が動いていないのに、ボイストレーニングさえ受ければ高音が出ると勘違いしています。
肩甲舌骨筋が過収縮しているにもかかわらず、発声テクニックを磨けば美声になると錯覚しています。
膝の関節が動かない人が、綺麗なウォーキングや美しい走りができるでしょうか・・・




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記1:美しい声には、包容力・説得力・慈愛・パワーがあります。歌唱だけでなく、社会生活においても最高の武器になるでしょう。実際、人は、見た目や声の印象だけで人柄を決めてしまいがちです。



追記2:あなたの声のためにも、ボイストレーナー選びは慎重にしてくださいね。ボイストレーナーには公的および国家資格はなく、誰でも自称できます。個人の経験だけに基づいた指導法ではなく、普遍的な事実に即した正しい発声医学に立脚する論理を持った優秀な先生に教えてもらいましょう。あなたは有名な野球選手からサッカーを習いたいですか?



追記3:平成17年から、知人のボイストレーナー達と意見交換を含めた交流会を行っており、自称 『日本ボイスアドバイザー協会』 と銘打っておりました。最近は、各方面の方々に、日本ボイスアドバイザー協会入会の門戸を開いて欲しいとの要望を多く受けます。声を大切にし歌を愛する人々のために、声に携わる指導者に最新の発声医学を啓蒙したり発声知識を試験したりします。乞うご期待。



~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-08-03 07:13


甲状腺疾患のために手術をして、声が出し辛くなった患者様を診てきました。
全国から多くの方がお越しになります。
そのほとんどの特徴として「姿勢が良くないこと」が挙げられます。
いいえ、良くないと言うよりは「悪い」に値しますね。
なぜでしょう?
甲状腺疾患(腫瘍、バセドウ病、橋本病など)と姿勢は直接関連するのでしょうか。
これは、どのように考えても違いますね。
関連はありません。
では、なぜ?
それは、手術後、無意識のうちに手術部位(患部)をかばう傾向があるからです!!!!!
皮膚が突っ張り、何となく創が気になってしまい、顎を下げ気味で両肩を内方にカールさせます。
それも、知らず知らず・・・
その姿勢では、甲状軟骨は自ずと深奥ポジションを形成し、外喉頭筋を固めて雁字搦め(がんじがらめ)になってしまいます。
これにより、詰まった感覚を得て、声に響きはなく、高音も出ず、話すのが嫌になってしまいます。
甲状腺の手術後は、発声に良い姿勢を保つよう心掛けてください。
発声に良い姿勢は「痙攣性発声障害の胸骨挙上発声および呼吸法」を参考にしてください。

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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




追記1:美声にとっても姿勢は重要です。不良姿勢により甲状軟骨の可動範囲が狭くなり深奥します。これでは羽交い絞めされながらスポーツするのと同じです。特にTensionを必要とする高音発声は厳しくなるでしょう。美声=美姿勢と記憶してください。(正しい姿勢と呼吸が完全にできるようになれば、踊ったり寝たりしながらでも美声が可能になります)



追記2:鎖骨下筋と大胸筋のストレッチングとマッサージが効果的です。
ストレッチング ⇒ 肩関節を水平に保ち柱などに手をかけじっくり伸ばしましょう。
マッサージ ⇒ 鎖骨下縁に沿って反対示指中指でしっかり揉みほぐしてください。また大胸筋は手のひら全体で優しく円を描くようにマッサージしましょう。




~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice | 2009-08-02 04:06