喉は、温めるべきか? 冷やすべきか?


発声にとって、喉を温めるのが良いのか冷やすのが良いのか。
よくいただく質問です。
この答を出すには筋肉の特徴を知らなければなりません。
筋運動はグリコーゲンを分解してエネルギー(ATP)を作り出し二酸化炭素と水を生成します。
これには酵素が関与します。
酵素はタンパク質からなるため最適温度が決まっています。
したがって喉頭周辺の筋肉を最大活動させるには生理学を応用すれば良いのです。
そのため、ある温度が分かってきます。
酵素反応が起こり難い低温の場合は温めることで活性化されます。
次に、他のスポーツと同じように、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントが滑走して筋収縮が可能になります。
このときにATPが使われます。
筋運動によって熱量が上がります。
その際は、クールダウンが必要です。
また、疲労即時回復には、局部各筋への繊細かつ的確なアイシングも効果的です。
大切なのは、筋状況に応じて的確に温め冷やすことです。
間違えると活動力を失ってしまい、逆効果です。
まさか、歌う直前にカイロなどで温めすぎていませんよね!?
まさか、歌った後に筋状態を考えることなく喉全体を氷などで冷やし過ぎていませんよね!?




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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)






~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2009-01-29 10:14