2008年 09月 26日
声帯のストッレチング 本当に正しいの?
ウォーミングアップのとき、発声練習でピッチを徐々に上げて 「さあ、声帯のストレッチングをしましょうねぇ」 と教えている先生がいます。
はたしてこの 声帯のストレッチング は真に正しいのでしょうか?
中央上のV字物体が声帯、その手前の靴べら状の物体が喉頭蓋
手動で操作すると、すべての筋肉がしっかり伸縮します
まず、声帯は主に筋肉と粘膜でできています。
ストレッチングには、一部、動的なものもありますが、静的な筋肉の伸張が主流です。
つまり、発声している時点では、筋肉を使用していることにほかなりません。
例えれば、走りながらストレッチングができるのだろうか?
テニスのラケットを素振りしながらのストレッチは可能なのか?
ということです。
喉頭に関して本格的なストレッチングを行うには、披裂軟骨の運動を制限した状態で、輪状甲状関節を他動的に動かすことによって本当の喉(声帯)のストレッチングが可能になります。
それには甲状軟骨板と輪状軟骨を左右手の母指と示指ではさみ、輪状甲状関節の屈曲とスライド運動(輪状甲状関節は Wアクション の関節です!)を正確に考慮しながらゆっくり最大可動させます。
これにより、甲状軟骨内部に存在する声帯は、他動的に伸展と弛緩を繰り返し、本当のストレッチングができます。
確かに、今回は細かいことを言いすぎなのかもしれません。
「声のストレッチ」の表現ならば大きく間違いではないと考えますが。
ともかく、実は、ピッチのコントロールってそれほど難しいことではないのです。
皆さんが知らなさ過ぎるのかもしれません・・・
お大事に・・・
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
追記:当院で喉を整備して最高の鳴りに仕上げた複数のアーチストが徐々にメジャーで活躍しはじめました。
もし、体の出来上がっていない高校1年生が名門野球部に入部して、基礎トレーニングせずに実践練習だけでレギュラーになって甲子園に行けると思いますか?
血の滲むような筋柔軟性および筋トレと運動能力強化といった基礎トレーニングを行ってから身についた野球センスが開花してこそ本物のアスリートとなるのです。
イチロー選手は天才ですが、基礎トレーニングを蔑(ないがしろ)にしていると思いますか?
技術やテクニックを最大限に活かすには筋肉による基礎運動能力UPが最重要なのです。
歌もまったく同じです。
あなたも喉の筋肉を100%使いきれるような発声能力をもっともっと高めてください。
そう、もっともっとです。
それこそが、最短かつ最高に成功する近道なのです!
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2008-09-26 00:11