2008年 07月 25日
痙攣性発声障害改善への可能性 レーザー治療 結果報告
7月1日から13日まで、毎日、多くの痙攣性発声障害の患者様にレーザー治療を試していただきました。(6月30日UPのブログ記事をご覧ください)
レーザー治療は無料で行いました。
大勢の心優しい患者様が使用後の効果などの評価をお知らせくださいました。
主に軽度のSD患者様に試しました。
・1~2.5秒照射、2秒~5秒休止 照射時間ランダム
・星状神経節と迷走神経 左右7分ずつ
・甲状披裂筋および反回神経 左右7分ずつ ⇒ これには、内緒のある手法を用います
レーザー治療が効果あると思う 約65%
変わらない 約35%
なお、逆に声の出難さが増したような気がする人が一人いらっしゃいました。直線偏光近赤外線により副作用は一切無く、痙攣がひどくなるリスクもないため、他の原因による増悪の可能性が大きいと推察します。(実際、後日のお話では、風邪による体調不良と仕事上の精神的ストレスを伴っていたようです)
このように、半数以上の患者様が効果を実感しました。
今回は、内転型痙攣性発声障害と外転型痙攣性発声障害を分けずにレーザー照射後の症状の変化を調べてみたのです。
さらに、7分でなく10分以上かつ複数回の照射が効果を大きくするデータも得られました。
実際の様子を尋ねると、ほとんどが即時効果は少なく、翌日から数日後に徐々に感じていくそうです。
また、1回の照射で快癒した人は皆無です・・・。
つまり、神経の局所麻酔効果のようなもので、時間の経過・精神の高ぶり・情動の刺激・環境条件の変動などによって痙攣による声の詰まりが再度始まります。
喉頭筋活動の促進によって短期間だけ痙攣を感じなくなるのは可能ですが、痙攣そのものの改善は出来ない既成事実を確認する結果となりました。
その他に、このプロジェクトに参加して最も良かったことは、「同じ治療室の空間に自分と同じ病気の人が何人もいて、自分一人だけでなく、頑張っている人が大勢いることに感銘を受けた」、「SDの患者さん達と交流して勇気がわいてきた」などの貴重なご意見が多くありました。
私の力では即時に治して差し上げることはできませんが、ほんの少し、お役に立てたことを嬉しく感じております。。
ご協力いただきました皆さまに心より感謝いたします。
ありがとうございました。
今後とも、軽度の痙攣性発声障害の患者さまのために、さらに深く研究を重ねることをお約束申し上げます。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
御礼:東京医研株式会社の協力にも厚謝いたします。
追記1:同期間中、音声振戦症・音声衰弱症・失声症・変声障害・声帯萎縮・声帯結節・肥厚性声帯炎・ポリープ様声帯・GID・アレルギー性気管支炎・喘息の患者様にも試してみました。それぞれ効果的であったり変化がなかったりしました。ほとんどが1~数回の受験のため、即時的な効果を求めても無理な疾病もありますが、音声振戦症△・音声衰弱症△・失声症×・変声障害△・声帯萎縮△・声帯結節〇・肥厚性声帯炎〇・ポリープ様声帯△・GID〇・アレルギー性気管支炎〇・喘息×の結果です。詳しい報告は他所で行いますが、大雑把に、好結果は〇、まずまずの結果は△、変化なしが×で表しました。なお、痙攣性発声障害の治験のように多人数でなく、少ない被験者のため信憑性に乏しいと思われます。ご参考までに。
追記2:当サロンは耳鼻咽喉科のような医療機関ではありません。発声能力をUPさせる施術を行っており、医師の指示を除いて、直接的な音声障害の治療は行っておりません。
特に、中等度および重症の痙攣性発声障害(ボトックス注射や喉頭枠組み手術が必要だと診断された症例)は扱っておりませんのでご了承くださいませ。軽度ならば改善の可能性はあります。手術を回避したい患者様が当サロンにお越しになりますが、症状に良悪の変化はあっても完治は難しいと存じます。その点をご留意いただき優秀な音声専門医に治療をお願いしてください。よろしくお願い申し上げます。
追記3:このレーザーは赤外線の一種、つまり赤い光の束です。皮膚や体内に悪い影響を及ぼすことはありません。また、この件のデータ収集は、レーザー照射後の様子を尋ねたもので、通常施療の効果は含めていません。レーザーだけの人もいれば、通常施療内で行ってレーザー照射後に声の変化を確認してもらった人もいます。なお、音声障害と診断を受けていない人の使用は、追加料金として2,100円をいただきました。レーザー治療器は発注済みで、新機種が届くまでの借り機器ですが、アプローチに組み込んでいたため料金をいただきました。また、このレーザーは星状神経節ブロックのように使用するドクターもおり、そのため喉頭のリラックスにはうってつけであることと、以前の接骨院で使用経験があり、効果の可能性は知っていました。なお、レーザー治療の効果には個人差があり、また、照射後の結果は声が出やすくなったかどうかの各人のおおよその感想であり、音声障害が治るものではありません。さらにお詫びとして、上記数値には痙攣性発声障害様症状の患者さまのデータも含まれていることをお伝えします。実際、大学病院でも医師によって見解が異なり「痙攣性発声障害」と診断されることもあれば「過緊張性発声障害」あるいは「音声衰弱症」と言われたこともあるケースの人たちです。したがって純然たる痙攣性発声障害のデータでない可能性もあることをご容赦ください。なお、痙攣性発声障害の診断は曖昧ゆえ、本当に正しいかどうかは手術やボトックス注射をして長期経過観察をしなければわからない病気です。それゆえ、今回のケースは大きく誤った数値ではなく、今後の症状改善の一法に貢献するものと考えます。さらにお詫びとして、7分照射を、通院患者の混み状況によって、5分~8分に変えたデータも混在しています。最後の陳謝として、このレーザー無料が、1:人体実験、2:すべての施術が無料になると受け取った方がおります。私の言葉足らずでそのように誤解されました。ここに謹んで謝罪申し上げます。會田茂樹
~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice
| 2008-07-25 08:39