とうとう声が出た!《失声症》


ある日突然まったく声が出なくなった患者様がいます。
近所の診療所から大学病院まで数々の診察を受け検査を繰り返しました。
それは 『失声症』 の診断名でした。
音声専門の耳鼻咽喉科にも心療内科(心因性も考慮されたため)にも数年間通いました。
それでも声は出ませんでした。

一年前から当院に通院を始めました。
私は、どうにかして治して差し上げたいと強く願い、さまざまな施術(物療・手技・訓練)を試しました。
やはり何の変化もありませんでした。
それでも患者様と二人三脚で一生懸命治す努力をしました。
変化がありました。
この春から「ささやき声」ができるようになりました。
最近では、その「ささやき声」が大きく聞こえやすくなってきていると周囲の人々から言われるようになったのです。
また、ご本人からも「喉の下の方から超低音(おっさん声)の小さな声が出そうな気がする」と報告を受けました。
先日の施術で、術後の発声時、ほんの少し実声が出たのです!

まず、何よりも喉頭周辺筋を調整して声が出やすい条件を作り上げます。 ← 最重要
そして、やや窮屈な姿勢ですが発声の準備をします。
1:自分の指でオトガイ部を後方にグッと押し込む
2:舌の付け根を下げながら甲状軟骨を目一杯下制する
3:肩の力を抜き、踵に体重をかけながら腰椎を極限まで前湾させて立つ
4:鎖骨胸骨凹部分から声を出す感覚で「あー」と発声する

とうとう声が出た!
まだまだ単発で聞き取れないほどの小声でした。
しかしながら、事実として声が出たのです。
私も嬉しくて・・・、涙が出てきました・・・。
この患者様のために、さらなる回復に最大級の意欲を燃やす所存です。



とうとう声が出た!



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ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。






※このような音声障害(失声症)の患者様の施術は医師の監督下で行っております。
by aida-voice | 2008-07-10 12:11