2008年 07月 04日
音声振戦症
音声に熟知した医師を渡り歩いて、最終的に当サロンにたどり着いた音声振戦症の患者様が数多くいらっしゃいます。
大学病院や有名な医院の元で数々の検査や治療を受けてこられましたので、生理的振戦・あがり症・痙攣性発声障害・セロトニン症候群・機能性仮声帯発声症・パーキンソン病・音声衰弱症・Muscle tension dysphonia・吃音・小脳性疾患などはないことは確かでしょう。
実際、A医師からは痙攣性発声障害、B医師には過緊張性発声障害、c医師から音声振戦症と、行く病院や医師によって異なる診断を受けている患者様もおります。
レントゲンやMRIのような客観的データが取れず、また、器質的病変ではないため、それだけ見極めが難しい疾患なのですね。
当サロンでは、病気の治療は行っておりません。
その人の発声能力が向上するよう、外皮から喉頭周辺筋にアプローチします。
さて、音声振戦症です。
内転型痙攣性発声障害に似ていますが、実は、外喉頭の筋状態や舌骨の位置が多少異なっていることに気付きます。
①下咽頭収縮筋(輪状咽頭筋を含む)のTonusは少ない
②中および上咽頭収縮筋はややTight
③舌骨の形が●●●●
④茎突舌骨靭帯に左右差があり●●●●
⑤舌骨上筋群のMuscle tensionは高い
⑥内筋の震えを触知できるときがある
⑦肩甲舌骨筋、胸骨舌骨筋、鎖骨下筋、輪状甲状筋、甲状舌骨筋にはそれほど問題ない
⑧僧帽筋・広背筋・大小菱形筋のStiffnessが存在
※なお、研究途中および未発表のため秘匿箇所を設けさせていただきました。
上記は會田茂樹の感想であり、まだまだ数少ない症例触診のため、これからの研鑽が必要なことをお断り申し上げます。
喉頭牽引器による喉頭周辺筋の弛緩、舌骨上筋群への喉頭専用低周波通電、星状神経節へのレーザー光線照射、筋活動性アップのピンポイント喉頭クリニカルマッサージなどの施術によって、振戦度合の即時軽減は達成していますが、残念ながら、すぐに振戦症状の音声に戻ってしまいます。
メンタルな部分で安心感が得られるのでしょうか、それでも複数回の施術で症状が徐々に緩和されたと皆さまから感謝のお言葉を頂戴いたします。
さらなる効果増とその維持が可能な施術をあみだすため、刻苦勉励しながら研究に勤しんでいる毎日です。
最後に、音声振戦症の方の苦悩が一日も早く改善できることを心よりお祈り申し上げます。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice
| 2008-07-04 19:22