2008年 06月 26日
痙攣であって痙攣性発声障害ではない!?
謹んで症例報告します。
披裂部が本当にパタパタ痙攣しているにもかかわらず声には影響しない症例です。
私は、以前、痙攣性発声障害の患者様の喉頭ファイバー所見で、声が詰まったり出し辛くなったりするのは声帯が過内転や突然の外転による動きが主で、実際に声帯や披裂部がピクピク痙攣している様子を目で確認したことがほとんど無いと申し上げました。
この喉頭ファイバー映像は、無声時にパタパタと勝手に痙攣し、発声時には正常に機能して声がでます。
決して意識的に披裂軟骨を動かしているわけではありません。
外皮から耳をすまして聞くと、小さくポコポコ音がしますが、ご本人はその騒音以外は苦痛ではないそうです。(声が出難いとか詰まる感覚はない)
その通りに発声時の過内転や過緊張は見受けられません。
日中だけでなく、就寝中も絶え間なく音がしているようです。(ご家族談)
声が詰まったり出し難い症状は一切ないのです・・・。
したがって、本来の痙攣性発声障害や音声振戦症ではないであろうとの見解でした。
しかし、いったい何が起こっているのでしょうね?
★ 喉頭ファイバー映像をYou Tubeで供覧します・・・
※診せていただきました当患者様のご快癒を心よりお祈り申し上げます。
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
◎吃音構音障害の患者さまも多く診ています。やはり発声時にはのど周りの筋肉が動きにくい状態、つまり硬くなっています。それらをほぐすことによって吃音が軽減することもあります。しかしながら永続的な効果は今のところ確認できません。
~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。
by aida-voice
| 2008-06-26 01:25