2008年 06月 21日
声楽はバレエと似ている
そう、これからの声楽は、芸術性だけを御旗に掲げて猪突猛進してはダメです。
歌唱に関しても、柔軟性や筋力などの基礎運動能力があって、初めて芸術性が開花するのです。
なぜなら、発声は、声帯を含めすべて喉頭の微小な筋肉で行われているからです。
私は、発声をよくスポーツに例えてきました。
確かにポップスやロックの歌ならスポーツでも良いかもしれませんが、声楽やオペラとなると、さらに芸術性が加わります。
そこで 〔クラシック〕 バレエに例えると正確性が増すかもしれませんね。(声楽家にとってバレエを踊ることは良くないと言われていますが、それが正しいか間違っているかは私には分かりません。ここでは、筋運動と芸術性に焦点を当てて比較検証したものです・・・)
観客を魅了してやまないバレエ。
繊細さと大胆さ、静と動、歓喜と悲嘆などを余すことなく体だけで表現します。
素晴らしい舞踊を見ると、本当に感動に打ち震えます。
優秀なバレリーナは、指先から足先まで神経が行き届き、自己の身体を十二分に使いきっています。
もし、体が硬く、体力や筋力の無いバレリーナが踊っていたらどうでしょう?
足は上がらない、高く飛べない、クルクル回ると潮垂れ、すぐにバテテしまうバレエを見たいですか?
バレエを始めるとき、まず行うのが柔軟体操やストレッチのような基礎訓練です。
そして、バレエに適した本物の身体を作っていきます。
難しい技術や芸術性は、その次のステップです。
これを歌に当てはめると、喉頭周辺筋の可動性を高め、それに立脚した歌唱テクニックを身につければ、至高の歌手になる可能性がでてきます。
この喉頭周辺筋の可動性を細かく検証すると、外喉頭筋群の緊張度合・胸骨舌骨筋の運動性・輪状甲状関節の動き具合・舌骨上筋群に関連する共鳴腔と舌の動き・顎関節と咬筋と外側翼突筋の関係などでしょうか。
実際、大切な楽器である喉頭を100%使いきっていない声楽家が非常に多いのに驚きを禁じ得ません。
小手先のテクニックだけの、小ぢんまりとした歌い手にならないで!
ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2008-06-21 14:45