痙攣性発声障害 -筋肉の活性化で痙攣を封じ込める-


最近、当院の痙攣性発声障害(SD)の患者様の回復成績が好調です。
痙攣そのものは治らないことは以前にお伝えしました。
しかし、軽度の痙攣ならば、筋肉の動きを最大限に活性化させて小さな痙攣や震顫を乗り越えると、それほど声に影響しなくなることが分かってきました。
例えば、ももの筋肉(大腿四頭筋)が多少痙攣しているとします。
じっとしているとピクピク感じるかもしれませんが、歩いたり走ったりすれば気にならなくなります。
つまり、痙攣の筋収縮よりも、それ以上に筋肉を活発に動かすことによって、ピクピク感じなくさせ痙攣を封じ込めます。
それでは、発声の場合はどうすれば良いのでしょう。
実際、喉頭ファイバーで声帯や披裂部を見たり触診で内筋を調べたりしても、大きく痙攣して震えている状況を確認できません。
もちろん発声時に外皮から目を凝らして見ても、ピクピク動く様子は見えません。
これは、本当に微細な痙攣であることを意味します。
したがって、喉頭周辺筋の活動力を向上させればいいのです。
しかし、ほとんどの痙攣性発声障害の患者様は、喉頭周辺筋をめちゃくちゃ硬くしています。
きっと罹患して以来ずっと過緊張しているはずです。
まず、その個別の筋肉の硬さを取り除かなければなりません。
これが、會田茂樹の喉頭クリニカルマッサージの秘技です。
その後、喉頭専用低周波治療器で筋力をアップさせます。
そう、喉頭専用低周波による筋肉収縮運動と同じ原理です。
具体的な方法は当院で詳しくお話ししますが、このようにして軽度の痙攣性発声障害の方が改善しています。(ボトックス声帯注射や甲状軟骨形成術Ⅱ型を必要とする重度の患者様には、この方法での改善は困難です。また、筋感覚が人によって異なるため、改善に至るまでの経緯や日数などの個人差が大きいのも特徴です)


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痙攣性発声障害は、人知れず大変苦しむ病気です。「声が出しにくい」「大きな声が出ない」「頻繁に聞き返される」「声が詰まる」「思い通りの言葉がスムーズに出てこない」「声の状態にナミがある」などなど・・・。 周りの方々のご理解をお願いすると共に、痙攣性発声障害の患者様が少しでも楽になり良くなりますよう心よりお祈り申し上げます。



痙攣性発声障害は医師の診断後の施術となります・・・




ボイスケアサロン
會田茂樹(あいだしげき)




~メッセージ~
この記事は往時の外喉頭外来〔医師と共同研究〕時のデータに基づくものです。よって、不確かな蓋然性も高く、内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。現在は病気に対するアプローチは行っておりません。声の不調は医師にご相談ください。



 
by aida-voice | 2008-06-18 00:34