旧 會田ボイス整骨院 ホームぺージ ボイスコラム9


ホームページ改新にあたり、2005年に発表した會田ボイス整骨院ボイスコラムを載せます。
このコラムは当時の最新発声医学をお伝えしてきました。
既に古い情報となってしまい、現在とは多少異なる見解もあります。
しかし往時の最先端を偲んで訂正せずに載せることをご了承ください。
その点をご考慮いただき、お読みくださいますようお願い申し上げます。



9:輝く声が人を魅了するパート4・・・菱形筋の活躍を促せ

どのボイストレーニングの本や発声の書籍を読んでも必ず書かれている項目があります。それは、姿勢です。当院でも、美声を求めるには、間違いなく姿勢は重要であると考えています。
歌手の知人や患者様から「確かに大事なのは理解できるけど、本を読んだだけでは具体的にどうすれば良いのかつかめない」「いつも意識しているのですが、それで疲れてしまい、肩や腰が痛くなってしまいます」「自分の姿勢が良いのか良くないのか分からないよ」とのお話をよく耳にします。
基本的な姿勢の記述は、他の優秀な書籍や文献に譲るとして、ここでは発声向上に最も簡単に効果が認められる筋肉とそのアプローチを紹介しましょう。
答えは、菱形筋。
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菱形筋は、大菱形筋と小菱形筋に分かれます。大菱形筋は、第2、3、4、5胸椎の棘突起から肩甲骨の内縁に付いて、肩甲骨の内転と回旋の機能を有します。小菱形筋は、第7頚椎と第1胸椎の棘突起から肩甲棘までで、大菱形筋と同様に機能しています。
多くの本で、良い姿勢とは、耳孔と肩関節中心と骨盤の上前腸骨棘と外踝が一直線になるようにとか、頭を糸でピンと吊ったようにとか、足を肩幅に開き腰を安定させ胸を張るなどと書かれています。しかし、実際の発声時や歌唱時は、立位安静ばかりでなく、ときに踊ったり演じたりしなければなりません。
つまり、ハードに動きながら発声したり、座った状態で歌ったりします。そのような状況で、一直線云々と言ってはいられませんよね。そこで役立つワンポイントとして、菱形筋がクローズアップされるのです。
大小菱形筋を意識的に収縮すれば、どんな体勢でも、胸郭を広げて横隔膜の動きを促進するはずなのです。したがって、菱形筋の動きがスムーズになるようなメンテナンスを施す必要があります。数時間におよぶコンサートや劇では、筋肉を酷使するため、日頃の筋トレやストレッチも欠かせないでしょう。
また、ご存知かもしれませんが、この部位は常に大胸筋の緊張を受けており、上背部の痛みの主要因でもあるのです。
このように、とても重要な大小菱形筋を活躍させながら大切にすることをお薦めします。




~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice | 2008-03-07 22:56