2024年 03月 03日
質問と回答
質問〔BBSot様〕
喉ニュースに、茎突咽頭筋の左右差が声の質を左右すると書かれていましたが、もう少し詳しく教えてもらえませんか?
回答〔會田茂樹〕
はい、承知しました。
ヒトの構成する骨も筋肉など軟部組織も、左右対称ではありません。
これは、例えば、右の目と左の目の形状や大きさが完全一致する人はいないはずです。
同様に、茎突咽頭筋にも左右差があります。
茎突咽頭筋は、基本的に、嚥下摂食に関与する筋肉と定義されていますが、甲状軟骨を吊り下げているため、発声にも大いに関与するする筋肉だと考えています。
喉頭は、中空に浮いているからこそ、自由自在な音を構成することができるのです。
もし、固定されていたら、響きのない潰れた声、それも全員が似たような声となり、個性が発揮されないでしょうね。
さらに突っ込んで例えれば、最高のアコースティックギターの胴内部に綿花をパンパンに詰め込んで弾くようなもの。
絶対に良い音ではありませんよね。
さて、茎突咽頭筋を触知するのは至難の業。
手指の熾烈なトレーニングが必須です。
ただ、取っ掛かりとして、茎状突起の位置と形状を探り当てることができれば、茎突咽頭筋の左右差をイメージできるかもしれません。
そして、茎突咽頭筋の長さ・太さ・筋力などに差が生じると、当たり前の如くシンメトリーかつ正確な発声運動は不可能となります。
結果、声の質の変化はもちろん、発声時の違和感、リズムやピッチの不安定、歌唱時の疲労など気になるケースが増えます。
茎突咽頭筋の情報は、まだまだありますので、今後も発信していきたいと思います。
追記:BBSotさん、ご質問いただき誠にありがとうございました。質問文の挨拶や結びのお言葉は割愛させていただきました。ご容赦ください。なお、メールの回答には詳細図を添付しておきました。時間をかけて描いた作画ゆえ、転載はお控えくださいね。
ボイスケアサロンⓇ
會田茂樹(あいだしげき)