2019年 11月 16日
皆に「君の喉はグランドピアノだ」と言う説
ボイスケアサロンでは、
新規の検査で喉の図を作成します。
ビデオ動画を静止画にして、
写真の上から喉頭の様子を各色のペンで描きます。【最下絵参照】
触知検査と相まって、
かなり正確な作画となります。
その喉頭の形を、
わたしは楽器に例えます。
中でも、
わかりやすいのがピアノ。
広角傾向で大きく形状の秀逸な甲状軟骨および舌骨の場合、
グランドピアノと称賛します。
さあ、ここからがキモです。
実は、
当サロンにお越しになる方々は、
声のプロであったり、歌手であったり、それらになりたいひとであったり、
やはり声への意識が高い人。
そのような方々の喉を調べてみると、
10人中8~9人は優秀な喉頭を持っている真実がわかってきます。
そこで、
「あなたの喉は、自宅にあるアップライトピアノではなく、大きなホールで鳴り響くグランドピアノですね」と褒めます。
よく、
皆さんのツイッターやブログで
「ボクもグランドピアノだって」「わたしもグランドピアノと言われた」と出てきます。
そう、それで正解なのです。
だって、本当に良い喉頭なのですから。
まれに、
小さかったり、劣等であったりすると、
説明に大変な苦労を強いられます。
落ち込まないよう、
うまくうまく伝えなければと四苦八苦します。
大昔(20年近く前)、
プロ歌手志望の女性に、あるがまま正直に、
「あなたの甲状軟骨の形状は歌に向いていない」と告げたところ、
泣きだしてしまいました。
それ以来、
形や大きさの良い喉頭は、
大いに褒めちぎります。
形や大きさが発声や歌唱に適さない喉頭には、
他の良い点を見つけ出し、
言葉を選んで優しく伝えています。
さて、ここで
「なぜ、ピアノなのか?」と疑問が生じます。
楽器はいろいろありますが、
ピアノの形と大きさが、喉頭と共鳴腔になぞらえやすいからです。
つまり、
『ピアノの弦』が『声帯ヒダ』
『フレーム(響板と側板を含む)形状』が『甲状軟骨および舌骨の形状』
『フレーム内の容積』が『咽頭共鳴腔の容積』
と見立てることができます。
蛇足ですが、
ピッチ(音高)を語るときは、
ピアノで例えるのではなく
弦楽器(バイオリンやギター)がベター。
繰り返します。
触知検査において形の良い喉頭のひとには、
「最高級のグランドピアノを持っていますよ」と臆せず評しています。
きっと、あなたもグランドピアノ!
追記:この喉頭の形状は変えることができません。第二次性徴あたりで成長による変化が終わります。よって、小さな甲状軟骨を大きくしたり、リング状の舌骨をV字舌骨にしたりは不可能。自分の喉頭形態を受け入れ、発声関与筋の柔軟性の恒常的担保と運動性の増強(筋力アップ)により、唯一無二である自身の“喉”を活かすことが重要となります。皆さんのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
外喉頭予想図一例〔外皮より考察〕
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平成2年4月4日開業(創業29周年)
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