2019年 02月 19日
なぜ高音が出ない!?
以前、ホイッスルボイスを得意とするボイストレーナー2人の外喉頭や喉頭ファイバー等の検証で、声帯ヒダを極限まで薄くするタイプと咽頭共鳴腔をギュッと細くするタイプがある結果をお伝えしました。
高音発声には、このように色々な方法が存在します。
ただし、ここで確認しなければならないのは、本人がどのような方法を用いているか、基本的にはわからないこと。
発声の運動感覚は、実に曖昧だから。
さて、一般的な高音発声には次が挙げられます。
①声帯ヒダを伸ばす
②声帯ヒダを短くする
③声帯筋を硬くする
④声帯筋を細くする
⑤声帯粘膜を十分に使う
⑥咽頭共鳴腔を細める〔共鳴腔壁を固める〕
⑦声門を通過する気流の速度を上げる
⑧歌唱テクニックを駆使する
⑨これらの複合
各項目に対する高音が出ない状況は以下が考えれます。
①輪状甲状関節の動きが悪い、輪状甲状関節の脱臼、輪状甲状筋が脆弱、などによって声帯ヒダを伸ばすことができない
②生まれつき声帯ヒダが長いひとは短くできない
③声帯筋の運動性能を有していないひとは声帯筋を硬くするのが困難〔正確なメカニズムは不明〕
④生まれつき声帯筋が太いひとは細くすることができない
⑤生まれつき声帯粘膜の存在比率が少ないひとは声帯粘膜を活用できない〔裏声が出ない〕
⑥省略〔未解明〕
⑦歌唱用呼吸が身についていないため気流の速度を上げられない
⑧省略〔これは優秀なボイストレーナーにお尋ねください〕
⑨割愛
ボイスケアサロンで、ある程度わかり、改善の余地があるのは、1と8だけ。
それ以外は、まったく判断もつかない。
誠にお粗末な状況ですね。
ますます研究を深め、解明と共に施術効果を高めるためさらに精進しなければと、身が引き締まる思いです。
追記1:現状、輪状甲状筋を鍛え、輪状甲状関節が正しく動き、歌唱用呼吸が完成しても、望むピッチが叶わないひとも多くいらっしゃいます。
追記2:なお、LDP状態では、輪状甲状関節の可動域が狭まり、続いて輪状甲状筋の筋力が低下し、ますます高音発声(ピッチコントロール)が出来なくなります。LDPは病気ではないため放置しても何ら問題ありませんが、声を大事にしているひとは改善が望ましいと考えます。
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會田茂樹|あいだしげき