筋力アップのために輪状甲状関節の可動域を増やそう!


ピッチのコントロール、中でも高音発声に欠かせないのが輪状甲状筋。

一般的に筋肉は収縮して関節を動かすのが主な役目。

その輪状甲状筋が担っているが輪状甲状関節。

甲状軟骨下角と輪状軟骨側面関節窩で連結される極小関節。

輪状甲状筋は垂部と斜部に分かれ、それぞれ収縮方向(運動ベクトル)が異なります。

最新の研究で、垂部と斜部が単独で動くこともあれば、連携しあって複合的に動くこともある事実がわかってきました。

下の模式絵で確認しましょう。

赤直線が垂部の動き、緑直線が斜部の動き、そして青楕円が複合した動き。

こんな小さな関節が、さまざまな動きを構成して、ステキな音高を作り出しているのです。

さて、この輪状甲状筋を最大に活かすには、輪状甲状関節の可動域が重要になってきます。

音域の広い歌手や高音が美しい歌手の喉を調べると、もれなく輪状甲状関節の可動範囲が広く、輪状甲状筋が発達しています。

繊細な触知で輪状甲状筋を探ると、まさにプリプリ。

当サロンでは、通常施術内の輪状甲状関節モビリゼーションで垂部の動きを惹起させます。

斜部と複合楕円の性能アップは、ハイパークラス内で行う輪状甲状筋バックアタックがベスト。

これは、二名の施術者で行います。

一名が、両指で舌骨および甲状軟骨上角をホールドします。

もう一名が、一方の指で甲状軟骨翼を、もう一方の指で輪状軟骨体部を挟みます。

最初は、弱い力で垂部および斜部を動かします。

各々、徐々に動く直線の長さを増やします。

次に、輪状軟骨を手前に引きながら垂部と斜部の動きを重ねて円を描くように回転させます。

じわじわ円を大きくします。

最後は逆回転。

これらによって求めるあらゆる音に対応できる関節運動能力を養います。

なお、当たり前の話ですが、輪状甲状関節の可動域が狭いひと、輪状甲状関節の動きが悪いひとが、どんなに高音発声の練習をしても、輪状甲状筋は鍛えられません。

ボイストレーニングを繰り返しても思い通りのピッチコントロールが叶わないひとは、まず、自分の輪状甲状関節の動き具合を確認しましょう。





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追記1:輪状甲状筋バックアタックの回転運動は、輪状軟骨関節窩の個体差による形状の違いで、円のひともいれば縦長の楕円や横長の楕円のひともいます。なお、一連の動作を、正確かつ瞬時に行わなければ効果が無い旨を申し添えておきます。





追記2:輪状甲状筋バックアタックの手技を初めて受けたひとは「おぉ、輪状甲状関節ってこんな動きをするのね!!!」と一様に驚嘆します。そして、ピッチやハイトーンの原理を理解&体得して、自由な歌声へと近づいていくようです・・・





追記3:熟練のボイスセラピストでしたら、一人で行うこともできます。舌骨と甲状軟骨上角を固定すようテーピングを正確に貼付することで、輪状甲状筋バックアタックができます。ただし、舌骨側部からの圧が少ないため、二人で行うより、可動範囲が小さくなるのは否めません。








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 會田茂樹|あいだしげき 




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~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2018-10-06 09:50