輪状甲状筋の垂部と斜部の筋膜が癒着しているケース


輪状甲状筋の触知検査の中で、最も見極めが難しいのが、垂部と斜部の筋膜癒着です。

熟達した触知検査によって、輪状甲状筋の垂部と斜部の存在(大きさ・面積・厚みなど)や動き具合を調べることができます。

当サロンで「輪状甲状筋が発達しているね」「右に比べ左の垂部が大きいね」「LDPによって輪状甲状関節の動きが悪いため筋肉が薄くなっているね」「ビッグな輪状軟骨のわりに輪状甲状筋が小さいね」「おぉ、プリプリした素晴らしい筋腹ですね」など言われたひともいらっしゃると思います。

その中で、輪状甲状筋の動きが鈍く垂部と斜部の境を触知できない例が認められます。

そのようなときは、胸骨舌骨筋をずらしながら輪状甲状筋筋腹を探り出し、その走行と運動域を丁寧に調査します。

結果、垂部と斜部の筋膜が癒着しているケースがあります。

癒着があっても、その部位の感覚が鈍麻ゆえ、動き難いとか違和を感じることはありません。

斜部と垂部に癒着があると、それぞれの動きを制限するため、輪状甲状筋の筋力が落ちます。

では、なぜ癒着が起こるのか?

推測の域を出ませんが、①外傷(自己流のマッサージ・物が当たった・首を絞められたなど)、②無茶な発声(大声の強要・長時間の発声練習・緊張時の過度な発声など)、③生まれつき、が考えられます。

つまり、正確な原因は不詳の場合がほとんど。

痛みもなく、日常生活に困るような事態でもないため、放置しても問題なさそうです。

ただし、高音を主としたピッチコントロール性が低下するため、声を大切にするひと(プロの歌手や声優など)には厄介な状況と言えるでしょう。

最後に改善方法です。

輪状甲状筋部に、外喉頭用の専用ソニックを照射した後、薄い筋膜を離断させるようにはがしていきます。

とても細かい作業です。

改善は、癒着の大きさや強固さによって異なります。

術後に、いきなり2オクターブも伸びたひともいました。

もちろん、何度、手技を加えても、一向に改善しなかったひともいました。

より詳しくは、筋膜癒着している方が、この特別な施術を受ける際にお伝えします。





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米国メイヨークリニックでの検証時の写真を絵に変換(解剖は医師・検証者は會田)






追記:上説④生まれつきと思われる例を精査すると、いつも上喉頭神経外枝の破格形状が関与しているのではないかと思えてなりません。現在、上喉頭神経外枝の走行パターンと癒着の状態をマッピングしていますが、いかんせん、当該例が少ない。皆さまからご信頼をいただき、多くの方々がボイスケアサロンにお越しになります。しかし、輪状甲状筋の筋膜癒着は年間10例以下、④は年間01例程度です…







喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
 ボイスケアサロン
 會田茂樹|あいだしげき 




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by aida-voice | 2018-09-07 17:31