2018年 06月 12日
声の短問短答【続編】510
「朝のTV生番組で歌うオファーがあります。午前中に本気で歌ったことなんてありません。対策を教えてください。」
はい、了解です。
まずは、ご活躍の様子、何よりです。
確かに、大抵は朝早くからライブやコンサートを開催しませんよね。
声は、声帯を含め、発声にかかわる筋肉の運動と呼吸による産物。
まさに、喉のスポーツです。
よって、発声で迷ったとき、一般スポーツの常識を考えて判断を下すと良いでしょう。
寝起きで運動ができますか?
特に歌唱は、アーティスティックなムーブメントを要するため、スポーツでなぞらえるなら新体操やフィギュアスケートのようなもの。
運動技術もさることながら、芸術のウエイトも大きい。
それでは、対策11か条です。
以下、時系列となっています。
Ⅰ 収録の1週間ほど前から早寝早起きを心掛ける
Ⅱ 1~3日前に本番のための専用ボイスケアを受ける
Ⅲ 前日の夜の過食や飲酒は避ける
Ⅳ スタジオ入りの最低2時間前には起床する
Ⅴ 可能ならシャワーや軽い入浴をする〔熱いお湯や長時間はダメ〕
Ⅵ 朝食を軽めに摂る
Ⅶ 時間に余裕をもって家を出る
Ⅷ 楽屋での過度な発声練習は避ける
Ⅸ ウォーミングアップに効果的な「N to Vowelトレーニング」と「ウォイトレーニング」を行う
Ⅹ 本番30分前にスーパーキャンディとプレミアムブラックキャンディを二つ同時になめる
Ⅺ 緊張をワクワク楽しく受け止め、いつもと変わらぬ気持ちでステージに立つ
さあ、思う存分、素晴らしい歌をテレビ視聴者の皆さまに届けてください。
追記:11か条の中でも、最も注意すべき点は、Ⅷの「楽屋での過度な発声練習は避ける」です。多くは意気込み過ぎてオーバーウォーミングアップに陥りやすい。結局、喉頭疲労で発声機能が低下し、本番で本領を発揮できなくなります。加えて慣れないシチュエーションで緊張し、さらに思い通りの歌声が出ず、とても残念な結果となってしまいます。