2018年 05月 24日
声から導き出した「口論で勝つ」方法
口論、すなわち、自分の説の正しさを主張して言い争うこと。
口論までいかなくとも、討議・論争・ディベートなど、経験したことがあるはず。
これらに抜きんでるには、誰もが「正当な内容を理路整然と述べて論破すること」と考えるでしょう。
確かに、相手を説き伏せるには、話の中身が重要です。
しかし、それ以前の段階で、皆さんが考えているより重要な事実があったのです。
極論で申せば、話の内容なんて、どうでもいい…
嘘だと思われるかもしれませんが、数々の確認例が存在します。
今回は、その法則をお伝えします。
① 声で相手の感情(心の状態)を見極める
② 声で内容に関係なく信憑性ある言論と思わせる
①から。
言論で勝つ、あるいは、言葉で打ち負かすのが目的ですから、必ず『相手』がいます。
最初に相手の心の状態を知ることが、優位に立つポイントとなります。
見た目は自信たっぷりのようでも、本当は違う可能性もあります。
それを見逃さないこと。
実は、声の様子から判断できます。
ヒトは緊張しているとき、ⅰ普段より声が高音化してしまう、ⅱ早口になる、傾向があります。
緊張により、声帯筋を含む発声関与筋が硬くなってボイスピッチが高くなります。
言うべきことを早く言い終えなければと焦ります。
ときに、早口だけでなく、急に声を荒げるシーンもありますので、冷静に対応してください。
まずは相手の声をじっくり聞き、相手の感情を見極めれば、突破口が開けるはず。
そして、②へとつながります。
余裕を見せつけ、相手の闘志を挫きます。
その余裕を醸し出すのが、ⅰ良い声質を作り出す、ⅱ普段より声をやや低音化する、ⅲゆっくりしゃべる、ことです。
そう、恥ずかしがらず役者や声優になったつもりで、意識的に良い声や美しい声を演出してください。
この際、話すべき内容は気にしない。
自分は正しいと固く信じ、いつもよりやや低めの声で、ゆったり自信に満ち溢れて語ること。
すると、あなたを言い負かすのは楽勝だと思っていた相手さえ、「もしかすると、あちらの言うことが正しいのでは!?」と、徐々に不安を感じ始めます。
相手が焦り、感情的になればなるほど、あなたの勝ちは近づきます。
最後に、最も気を付けなければならないのは、決して相手の感情に合わせないこと。
相手の怒りに合わせてあなたも苛立った時点で、あなたの負けと思ってください。
繰り返します、“相手の感情に合わせるな!”
声を利用して、難局を論破しましょう。
追記1:②ⅲのブランチとして、初めのうちはゆっくりしゃべる⇒ 後半は声の強弱や緩急をつけて仕上げにかかる、などの妙技もあります。さらに、相手の声質や話し方を真似て懐柔する方法もありますよね。これは、発声テクニックや心理的パワープレイに属し、わたしの管轄から外れるため、ここでは詳しく述べません。遺恨とならないやり方になりますが、相応の準備と駆け引きが必要です。また、ディベート戦法で用いられる「被せ技」や「吸収法」に関しても、話し方のテクニックに属すため、それらの専門家にお尋ねください。
追記2:口論であれディベートであれ、二人きりで行うと、勝ち負けのジャッジが困難ゆえ、可能ならば第三者の判断を得るべきと考えます。やみくもに二人で続ければ、それこそ陳腐で無益なケンカにすぎません。