2018年 03月 01日
なぜ喉が詰まるのか?【改訂版】
喉が詰まるとき、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、整形外科、精神科で問題ないか調べてください。
信頼のおける医師にお願いしましょう。
病気が確認されない場合、いったい何が起こっているのか?
もしかするとLDPかもしれません。
LDPとは、Larynx(ラリンクス:喉頭)・Deep(ディープ:深い)・Position(ポジション:位置)の略で、独自の造語です。
つまり、喉の位置が深いこと。
病気ではありません。
その様態を表す“癖”のようなもの。
外喉頭にある筋肉(発声関与筋を含む)の多くの収縮ベクトルが頚椎方向であるため、喉頭(舌骨・甲状軟骨・輪状軟骨)が奥に入り、そこで喉の詰まり感を覚えてしまいます。
加えて、縮んだまま明確な拮抗作用が働かず、その位置で筋肉が硬くなってしまう。
これがLDP。
残念ながら、根本的な原因はわかっていません。
原因が定かでないひとが多いのですが、これまで出会った数千の例から、要因として考えられるのは、過緊張、ストレス、無茶な声出し、合わない発声、自己流マッサージ、喉頭外傷、喘息・風邪・呼吸器の病後、その他です。
中でもストレスは、学校・職場・ママ友・サークルなどで、いじめやハラスメントを受け、LDPになるケースを多く知っています。
また、喉の病気は治ったにもかかわらず、LDPが癖化してしまうひともいます。
ずいぶん厄介なLDP。
長期間、LDP状態が続くと、喉の筋肉は硬くなったまま、正しい位置を忘れてしまう。
頑固なLDPは、言語聴覚士の先生による発声指導や漢方薬でもなかなか改善しなくなります。
けれども病気やケガではありませんので、その点だけはご心配なく。
しかし、詰まり感は気になって辛い・・・
そこで解決の方法の一つとしてボイスケアサロンのアプローチがあります。
各人の状態に応じ、各種のアプローチを施術します。
これまで多くの方々のLDPを解決してきました。〔もちろん解決できなかったケースも多くあります〕
まずは、外喉頭の状態を詳しく調べてみましょう。
もしかすると、お役に立てるかもしれません。
追記1:「LDPを改善するボイスケアサロンのアプローチとは何か?」答えは簡易です。硬くなった喉の筋肉の筋線維を探し出し、一本一本丁寧にストレッチを施し(ピンポイントマイクロストレッチ)、柔軟性を獲得させる。手技や各種器具を用いて施術を行い、ある程度の柔軟性が保てるようになってきたら、次に、喉頭を引っ張り出し(アタランストリートメントを含む)、その正しい位置を記憶させるのです。
追記2:LDPの改善には「個人差が激しい」という一面を持っています。2~3回のアプローチでアッと言う間に解決するひともいれば、2~3年続けても無理だったひともいます。外喉頭筋は自律筋ですが、多くは動きの感覚を伴わない。よって、自己フィードバックが難しく、戻ってしまうケースが多発するものと考えています。
追記3:本来、発声にはあまり関係しない咽頭収縮筋が硬くなるのもLDPの特徴。中でも中咽頭収縮筋と下咽頭収縮筋。ときには咽頭収縮筋輪状部(輪状咽頭収縮筋)も。結果、嚥下運動の能力が低下し、食べ物や飲み物が飲み込み難くなります。水を飲んでゴリゴリ音がするのもこのため。
追記4:LDPにより、舌骨も深くなります。すると喉頭蓋の立ち上がり角度が低くなって、オペラ歌手に不可欠なベルカント唱法が成立しなくなります。実際、マリア・カラスの好調時は喉頭全体が前に出ていましたが、不調時はグッと奥まりLDP状態ではないかと考えています。何度も何度も多数の画像を見て、そこから導き出しました。大昔の記事になりますが「マリア・カラス 外喉頭から見た声の変化 私的考察」をご覧ください。
ボイスケアサロン
會田茂樹|あいだしげき