2017年 10月 28日
喉の筋トレ… それはLSEだ!
LSEとはラリンクス・スライド・エクササイズ。
ラリンクスは喉頭(のどぼとけ)、スライドは滑らせる意味、エクササイズは肉体的な運動のこと。
術者の手指により喉頭をスライド移動させ、負荷をかけた状態から、発声関与筋の筋力で正中ポジションに戻す運動。【写真を参照】
方向は、左右上下の4パターン。
初級は各5回。
中級は2セット。
上級は10回×数セット。
級が上がるにしたがって、術者による圧力も高めていきます。
これにより発声関与筋の筋力が養われます。
その結果、ピッチやリズムの正確性が増し、長時間の発声にも耐えられるタフな喉に仕上がります。
つまり、声や歌に余裕ができる!
外喉頭筋の柔軟性獲得後は、是非、発声関与筋の筋力アップを目指してください。
追記1:なお、平常無声時の筋硬度20tone以下がLSE訓練の対象です。喉の筋肉が硬い状態でLSEを行うと、軟部組織(筋肉・筋膜・靭帯など)を負傷する恐れがあります。実際、自己流の筋トレでケガをしたひとがボイスケアサロンに多く来ます。発声が不調になり、それでも筋損傷とわからず、耳鼻咽喉科や整形外科学で問題ないと診断されるケースばかり。LSEには、鍛えたい筋肉を探し出す触知能力と、押し込む圧力を適正に判断する指先の技術が必須となります。本当~にケガが多いので、セルフ筋トレはおやめくださいね。
追記2:初めてLSEを行ったとき「出来ません…」「よくわかりません…」とおっしゃる方がほとんど。それもそのはず、発声関与筋は、随意筋でありながら、動く(動かす)感覚が伴っていません。つまり、脳から命令が送られ統制しているものの、その動きや動く場所を正確に感じることができない。したがって「コツを教えてください」と請われても、「わたしにもわかりません」としか答えようがないのです。出来るか出来ないか、それはあなたの喉のみぞ知る〔Only larynx knows〕。しかし、LSEの訓練を受け続けていると、徐々に体得できるようになります。まずはご安心ください。
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會田茂樹|あいだしげき