2017年 10月 13日
茎突咽頭筋の左右差を調査
ヒトの組織の中で、空中に浮いている硬物は、喉頭のみ。
吊り下げているのは、主に茎突咽頭筋と茎突舌骨筋(茎突舌骨靭帯が並走)の二つ。
細密な触知検査で、探し出すことができます。
ランダムに二十人の茎突咽頭筋の左右差を調査しました。
長さ・太さ・硬さを比べます。
結果、左右がシンメトリー、つまり完全に左右が同じ状態であったのは、二人でした。
残りの十八人には左右差があったのです。
ただ、ほとんどは、発声に影響を与えるものではなく、個性の範疇に属す程度のもの。
発声に若干の悪影響を及ぼしていると思われる酷い左右差は一人だけでした。
それにしても、触知するたび、不思議な構造に感動を覚えます。
追記:ちょっと難しい内容。先日、茎突咽頭筋と咽頭収縮筋の筋膜が繋がっている(癒着している)レアケースに遭遇しました。この結果、茎突咽頭筋の収縮により、咽頭収縮筋の運動性を低下させたり、披裂軟骨を作動させる内筋の動きを阻害したり、発声に好ましくない状況を生み出す可能性を否定できません。真に小さな箇所ゆえ、リリース(手技)は思いのほか困難。わたしはピンセットを甲状軟骨翼のラインに合わせ固定して行います。
ボイスケアサロン
會田茂樹|あいだしげき
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2017-10-13 12:04