2017年 07月 09日
声の短問短答【続編】490
「デスボイスのときって、のどの中はどうなっているの?」
内喉頭の様子を簡潔にお答えします。
デスボイスは、声帯ヒダを下に向けた(気管支方向)状態で、喉頭室・梨状陥凹・咽頭共鳴腔を用いて拡大共鳴させた音です。
声帯ヒダがやや下を向いていると、発声時の振幅が大きくなり、エッジボイスが生成されます。
さらに下を向ければ、デスボイスの完成。
その音声をアートまで高めるのは、喉頭室・梨状陥凹・咽頭共鳴腔の役目となります。
なお、下に向けた声帯ヒダを振動させるためには相当のパワー(呼気圧)が必要となりますので、声帯ヒダの損傷には十分ご注意ください。
デスボイスを出した後、喉が痛くなるなら、それは間違ったやり方ですよ。
ポイントをお伝えしましょう。
舌をうまく利用した咽頭共鳴腔による構音がコツですね。
追記1:「舌をうまく利用した咽頭共鳴腔による構音がコツ」をもう少し具体的解説すると、舌を下制しつつ舌奥を徐々に固めながら音声(ここではデスボイス)と咽頭共鳴腔による倍音点を探し出し、そのポジションを基本として微調整することで、アーティスティックなデスボイスが生まれます。
追記2:『デスボイスは仮声帯による発声である』と言われることもありますが、正しいかどうかはわかっていません。医師の協力のもと、喉頭ファイバースコープによるデスボイスの発声状況を観察してみましたが、前庭ヒダ(仮声帯)の振動は確認できませんでした。
喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
ボイスケアサロン
會田茂樹|あいだしげき
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2017-07-09 04:12