2016年 11月 24日
音楽的観点から考察する喉頭室
皆さんもご存じの甲状軟骨は、声帯ヒダを入れる大切なケース。
実は、この甲状軟骨内に、ヒトが持つ5つの共鳴腔の最初の空間である喉頭室が存在するのです。
とっても小さな空間ですが、声帯ヒダと前庭ヒダ(仮声帯)の間にあり、声の音色に対する方向性を定める大事な場所なのです。
つまり、音声第一加工場。
また、甲状軟骨の形状には個体差があります。
大きかったり小さかったり、甲状軟骨翼の角度が鋭角であったり広角(鈍角)であったり、甲状軟骨板が厚かったり薄かったり・・・
この個体差によっても、喉頭室の形状が変わり、それぞれ音作りも変化します。
ただし、すべて個性ですから、どれが良い悪いはありません。
個人的な見解となりますが、2万人以上の喉頭と声の関係を調べてきた結果、理想形は、①大きな甲状軟骨(アップライトピアノよりグランドピアノ)、②広角または広角傾向(声帯ヒダの長さは短くなって高音発声が有利でありながら声帯ヒダの面積が広くなって低音発声にも有利)、③甲状軟骨板が厚い(ペラペラの木で作ったスピーカーで美しい音は困難)、④全体像が端正(いびつに変形させた楽器で良音は奏でられない)と感じています。
追記:ヒトの5つの共鳴腔とは、声帯ヒダから近い順に、喉頭室(こうとうしつ)、梨状陥凹(りじょうかんおう)、咽頭共鳴腔(いんとうきょうめいくう)、口腔共鳴腔(こうくうきょうめいくう)、鼻腔共鳴腔(びくうきょうめいくう)です。そう、空気が流れなければ、声は生成されない。音は空気の粗密波【振動】なのですから。歌は空気の芸術なのです…
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2016-11-24 00:14