声の短問短答【続編】458


「私は〇〇県に住んでいます。私の近くには声の施術者が居ません。どうして居ないのでしょうか?」

ボイスセラピストとして発声力を高める外喉頭の施術を行うには四つの条件が必要なのです。

医療系の資格を有し、長年、実務で軟部組織に触り慣れていること
ちなみに、わたしは柔道整復師として、8年間の下積み、その後10年間の接骨院経営を行ってきました。
初院開業の立地と運のおかげで、最高一日234人、平均一日約180人の患者様が来る接骨院となりました。
ここで実に多くの方々の四肢躯体に触れさせていただき、軟部組織の素晴らしさを知ることができたのです。
また、スポーツ系施術も研究し、近隣女子大学体育系クラブのフィジカルトレーナーを務めさせていただいた経験もあります。

十分な外喉頭の研究を行っていること
この分野が未開であるため、そして、あらゆる面で曖昧なため、自身で開拓しなければなりません。
そう、教科書が無いのです。
さらに、ボイスセラピストと称するには、海外での摘出喉頭の触知実験や優秀な音声専門医との連携が不可欠。

声(音)を聴き分ける耳の能力を有すること
生成物が音声ゆえ、耳が良くなければ、何も始まりません。
私事ですが、中学時代からHi-Fiオーディオにのめりこみ、声楽を学び、音楽三昧の日々を過ごしてきました。
ほんの小さな音の変化も見逃しません。

指先の触覚に長けていること
発声に関わる小さく繊細な軟部組織を探り出す能力がなければ、ボイスケアは成り立ちません。
わたしも、日々、指先の錬磨を行い、手指を保護するよう心掛けています。

上述の四項目すべてを満たして初めて真のボイスセラピストになれます。
実際、なかなか大変な業です。
本気で声が好きでなければ達成できません。
よって、声専門の施術所がほとんど無いのも頷けるのではないでしょうか。




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追記1:多くの柔道整復師の先生から集患の教えを請われ、2002年、リフレックスラボ社から、ビジネス書「患者を2倍に増やす法則 = はやる接骨院整骨院にするための条件」を出版したことがあります。すでに廃版で、唯一、国会図書館にあります【お恥ずかしい話です…苦笑】




追記2:質問と同じような内容ですが、ときどき「住んでいるそばで声専門の施術院はありませんか?」「東京以外でボイスセラピストの先生を教えてください」と訊かれますが、残念ながら知りません。




追記3:「声の病気を治して欲しい」とか「歌を上手くして欲しい」とおっしゃる方もいますが、ここは喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーションを行う場所。基礎声力を高めるのみ。そのようなご要望にはお応えできていません。声の病気は医師に、歌の技術はボイストレーナーに、それぞれ依頼してください。





喉と声のスポーツトレーニング&リラクゼーション
 ボイスケアサロン
 會田茂樹|あいだしげき 




Detailed voice dictionary
 
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~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2016-11-22 08:23