エコーなんて要らない!


咽頭共鳴腔を使いこなせばマイクエコーは要らない。

その回答は舌骨引出アプローチにあります。
喉の中に響く空間を構築し、それを自在に活用すれば、マイク等のエコー操作は要らなくなります。
そう、あなた自身の中に秀逸な歌劇場や大きなコンサートホールを作り上げるのです。
その根本が咽頭共鳴腔。
生まれつき、中咽頭収縮筋が弛緩しているひとや、舌骨体へ付着する軟部組織に結合織線維が少ないひとは、改善も練習も必要なく響きあふれる良い音色を醸し出しています。
しかし、99%のひとは舌骨奥部の動きが緩慢。
そこで有効なのが、ピンポイントマイクロストレッチの一つである“舌骨引出アプローチ”。
この舌骨引出アプローチを行いながらハミングすることで、咽頭共鳴腔の空間を大きくし、その位置を知り、その使い方を学びます。
コツは、発声やハミングをしているのではなく、咽頭共鳴腔で響き(サウンド)を作っている感覚を持つこと。
なぜ?
答えは簡単。
声は、空気のナミ(疎密波)だから。
簡単に例えれば、空気の振動。
声帯で作られた小さな音源が、5つの共鳴腔で響きや音色を作り、口や鼻から呼気と共に出ていく。
その空気の振動が伝わり、相手の耳の中の鼓膜を振動させる。
これが声(音)なのです。
マイク、アンプ、スピーカーを通しても同じ理屈。
根本は空気のナミ。
舌骨を引き出して咽頭共鳴腔を拡大しながらハミングすると、小さい音にもかかわらず、どこまでも減衰しない見事な良声が出てきます。
その感覚を身につければ、誰からも褒められ認められる美声の持ち主になるでしょう。
習得には個人差もあり、一朝一夕には叶わないかもしれませんが、努力あるのみ。
さあ、一緒にがんばろうじゃありませんか!

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追記1:舌骨は、ヒトの約200個ある骨の中で唯一空中に浮いています。主に茎突咽頭筋と茎突舌骨筋で吊り下げられている。浮遊して自由であるからこそ、声の芸術が成り立っているとも言えます。また、舌骨の動きが阻害されると、それに伴って甲状軟骨の動く範囲も低下し、発声の精度を落とします。つまり輪状甲状関節の動きが悪くなり、魅力的な高音から遠のきます・・・




追記2:舌骨引出アプローチは、筋線維の方向と強さを指先で見極めながら小さな力で引き出します。また、舌骨のポジションはシンメトリーでない場合が多く、その差異も計算しながら行うのです。かなり熟達した技術が必須です。

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by aida-voice | 2015-10-06 05:45