2015年 06月 23日
辛口コメント ~ これで良いのか J-POP! ~
TVの生歌番組が増えてきたのは良い兆候だと思います。
とりわけ歌や音楽が大好きなわたしには素敵な傾向。
やっぱり歌って最高ですよね。
当サロンにも、その番組に出演する直前にお越しになるアーチストもいるため、欠かさず観るよう心がけていますが、ちょっと思うこと〔苦言〕があります。
多くのエリートボイスユーザーは最高のパフォーマンスを提供しています。
しかし、ときどき、「えっ? 本当にこんな歌声で良いの?」と目を疑うような・・・、いいえ、耳を疑うような歌声で歌っていらっしゃる歌手がいます。
ご存知のように、当サロンにお越しになったプロおよびプロ志望者には漏れなく次に二点を申し上げています。
① 聴いていただくための方々に、常に最高の声を提供すること
② 10年も20年も30年も、極上の声で末永く活躍し続けること
これこそがプロフェッショナルの真骨頂!
TV歌番組を観ながら「CDを買って聴いたときは感動したのに、このテレビ番組の歌はつまらない・・・」と家族が言い放ったのが心に残ります。
そう、日本人J-POP歌手は、海外のプロ歌手に比べ、プロ根性が足りない。
参考にならないかもしれませんが、以前、わたしが経験した話です。
オペラ歌手として世界的に有名なフィオレンツァ・コッソットさん。
何度か楽屋挨拶にも行くような関連性。
2007年のリサイタルに出かけたときのことです。
午前中までのリハーサルは上出来だったにもかかわらず、本番直前で声が不調になり、コンサートをドタキャン!
この当時のわたしは、「自分の仕事を放棄するのはプロではない」と感じていましたが、いまは多少異なる考えを持っています。
確かに、観客はお金を支払い、時間を作って会場に来たため、いきなりのドタキャンは許せません。
でも、ここでアーティスティックの観点から考えれば「劣悪な歌声を聴いて、あなたは本当に満足できますか?」なのです。
CDでは素晴らしかったのに、ライブは最悪の歌声。
結局「来なきゃよかったよ・・・」と感じては寂し過ぎますよね。
不調なら安逸に休み、調子の良い時だけ歌うことに、賛否は分かれると思います。
人間ですもの、仕方ありません。
けれどもプロは、いつでも最高の歌を提供してこそプロの意味を成すのです。
答えは、歌と声でお金を稼いでいるから。
したがって、日ごろから、最高の状態にキープする努力を惜しんではいけません。
続いて、なぜ?
歌は、聴くひとのためにあるからです!
追記1:自己の芸術性を探求しない歌手の劣悪なコンサートに出掛けたりCDを買ったりするのは、それは宗教のようなもの。少なからず固定ファンさえいればそれで良いのでしょうね。曲の出来や歌声の良し悪しなんてどうでもいい。あなたがその歌手を好きならそれはそれで問題ありません。さあ、その歌手にいっぱいお布施しましょう。
追記2:ファンはもちろん、歌を聴いていただくひとのために、常に喉と体調を整え、常に歌唱テクニックを高める努力をしているJ-POPシンガーも大勢います。これぞ真のプロフェッショナルですね。本当に頭が下がります。
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2015-06-23 15:21