声の短問短答【続編】343


フジテレビ系「ノンステップ!」で市原悦子さんが、声がかすれて困っていたとのコメントがありました。市原さんの声の状況はどのようになっていますか?」


過去に、ひとを惹きつける魅力的な声の研究題材として、アニメ「まんが日本昔ばなし」(TBS)を選び出し、市原悦子さんと常田富士男さんの喉と声を深く研究しました。
直接の検査は行っていませんが、画像と録音された声から、いろいろわかっています。
研究報告書は秘匿ゆえ、ここでは一般的な加齢と声に関し、短答にお伝えしましょう。
まず、人間(動物)は歳を取ります。
絶対に避けられません。
加齢と共に、①声帯筋を含む発声関与筋の筋力低下、②声帯粘膜や喉頭内の乾燥、③発声関与神経の機能低下、などによって発声力と声質は低下します。
さらに、女性の場合、閉経後、声帯ヒダの浮腫みを生じやすく、低音化と同時に、声門開大によって嗄声(させいと読み、意味はかすれ声)となりやすくなります。
そう、勝手に息が漏れ、かすれてしまうのです。
とくに甲状軟骨舌骨間が狭くなっているケースでは、上喉頭動脈の血流が減ったり上喉頭静脈の静脈還流が滞ったりして、かすれ声が顕著になります。
これらは外皮からの喉頭観察でも十分に判断できます。
ただし、相当な知識と経験と観察眼が必須。
喉頭そのものの加齢は阻止できません。
しかし、血流の正常化や発声関与筋の運動性アップで、加齢を遅らせたり改善したりすることは可能です。
相手の心のひだに触れて分け入る市原悦子さんの素敵な声は至宝です。
この先も、末永くご活躍くださいますよう心よりお祈り申し上げます。

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追記:この記事を書いていて過去の記憶がよみがえりました。「まんが日本昔ばなし」の監修は川内康範先生。作曲家としても有名ですよね。お亡くなりになるほんの少し前、川内先生のパーティに招待され、CDをいただいたのを思い出します・・・





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by aida-voice | 2015-06-17 11:53