2015年 02月 23日
裏声がまったく出ないひとは・・・!?
ある声楽家の先生からの質問です。
「教え子が、どうしてもファルセットが出ない。教え方が良くないのでしょうか?」
どんなに訓練を積んでも、裏声発声ができないひとがいます。
なぜでしょう?
実は、ここには器質的な問題が存在している可能性があります。
これまで数多くの摘出喉頭による声帯ヒダを観察させていただきました。
その結果、声帯ヒダを構成する声帯筋と声帯粘膜の構成断面比は、個人差の大きいことがわかりました。
裏声の根本は、声帯筋振動でなく声帯粘膜振動がメインの状態を指します。
よって裏声が出ないひとは、生得的あるいは後天的に、声帯粘膜の存在比率が少ない可能性があります。
これは、喉頭ファイバーで上から覗いただけでは判断が難しい。
このようなケースがあることも念頭に置いて指導されると良いでしょう。
追記:打開策は無いのか? 粘膜内部には非常に多くの水分があります。この水分量が減少しても、裏声が出し難くなります。したがって、声帯粘膜を強化するために、ビタミンAやオメガ3脂肪酸を含む食品やサプリメントを摂取するのも良いと思います。そして、乾燥も大敵。マスク・吸入器・加湿器の使用、チョキ開大運動・舌骨引き出しアプローチ〔ハミング付き〕・甲状孔への赤外線LED照射(上喉頭動脈の血流を増やして声帯保湿を促す)なども効果的でしょう。そう、コントロールされたファルセットボイスは、聴くひとの魂を揺さぶります。
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2015-02-23 00:49