2015年 01月 20日
声の短問短答【続編】315
「習っている歌の先生から『発声の根本は筋肉の動きだから、喉仏の片側に親指を当て、声を出さずに、押し返すように力を入れたり弱めたり繰り返すと、声の筋トレになる』と教わりました。正しいですか?」
発声の根本は筋肉の動きである部分は正しいと思います。
しかし、その次の運動は、声の直接的なトレーニングになっているとは思えません。
なぜ?
簡単です。
発声関与筋は、声を出すために動く筋肉であり、甲状軟骨を意図的に動かすだけでは、発声時に使う筋肉を鍛えることができないと考えられるからです。
そう、首を動かしたり喉を動かしたりする筋肉と、声を作り出す筋肉は、相違しているのです。
逆に、過激な筋トレで、喉頭周辺筋の損傷や筋硬度増加など、発声に良くない状況に陥る可能性もありますので、実行される場合は、十分に注意して行ってくださいね。
追記:なお、この先生の筋トレ法は、嚥下摂食困難者のリハビリには効果的かもしれません・・・
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2015-01-20 14:36