高音発声が苦しいときの対処法〔①エア・イン ②コンパルソリー・ビブラート〕


自分自身にとって高音が高すぎて苦しいときは、以下の二つのどちらか〔あるいは両方〕を実行してみましょう。
大切なワードは・・・
エア・イン
コンパルソリー・ビブラート

この二つ!
①エア・イン
いわゆる息漏れ。
ただし無自覚な嗄声ではなく、あくまで意図的に声の中にエアを入れる発声法。
それには、閉鎖筋と開大筋の動きをコントロールする能力が必須です!
そして、そのコントロールを発揮するには、発声に関わる喉頭周辺筋の柔軟性が不可欠!!!
指標は、ⅰグライディングテストでクリック音がないこと、ⅱ甲状軟骨翼後端から指を差し入れて甲状軟骨を半反転させ内筋の一部が触れること、の2点。
②コンパルソリー・ビブラート
訳して字のごとく、強制的な振動を加えること。
このとき何が起こっているのか?
ⅰリズミカルな呼気、および、ⅱ輪状甲状筋を使用し、強制的にビブラートをかけることで過硬化した声帯ヒダを弛緩させ、楽な高音発声に導きます。
さあ、上記の①②を成し得れば、高音は思いのまま!
他者を魅了する素敵な歌唱が可能になります。
是非、獲得してください。

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追記1:よく「喉の力を抜く方法を教えてください」と質問されます。頚部前面の発声関与筋は、その存在も動く感覚も持ち合わせていない曖昧な軟部組織。他のスポーツのような「肩の力を抜きましょう」と訳が違う。もし、誰にでも完全に有効で正しく行う方法があるのなら「何卒わたしに教えてください!」と、逆に指導を乞いたい・・・





追記2:ボイスケアサロンでは、歌い方の技術は教えておりません。発声を外喉頭筋群の運動と捉え、その柔軟性や運動性に対して深く語り、実際にケアおよびアプローチで発声能力を高めるのが目的。歌唱テクニックは、あなたの喉と声をしっかり理解してくださる優秀な音楽教師やボイストレーナーにお尋ねください。







歌の上手い歌手(ジャンルはほぼ問わず)の大半は、無意識でエア・インとコンパルソリー・ビブラートを使っていますよ!






※実験でも確認済み
【ユニークな高音実験】高音発声が苦手な3人を連れてカラオケへ行きました。まず、それぞれ歌ってもらいました。3人とも、なかなか上手い。次に、外喉頭のイージーチェックを敢行。3人とも、柔軟性(筋硬度30Tone以内)や運動性(中でも輪状甲状関節の可動域は念入りに検査)に異常なし。しかし、自分の苦手とする高音になると、キンキン甲高い(かんだかい)声になったり、裏返ったり、声量が落ちたり、音程を勝手に下げたりしていました。まあ、歌としては成り立っていますから、自己満足ならこの状態でも問題ない。でも、聴くひとに「おぉ、上手い」とか「感動したよ」と言わせたいなら、やはり美しく余裕ある高音発声が不可欠。そこで、①エア・インと②コンパルソリー・ビブラートの簡単なやり方を伝え、短時間の練習をしました。その結果、なんと、3人ともが、自分も聴いていたひとも、びっくりするほど自然な高音になったのです。本当に驚きました。彼らの歌が、ひとまわり雄大に成長しました。歌に振り回されていた感じから、歌を使いこなすようになった感じの劇的な変化。実際、コツさえつかめば難しくありません。そう、歌って難しく考えないのが一番。是非、①エア・インや②コンパルソリー・ビブラートを習得してください。完璧を目指すなら両方を・・・。なお、外喉頭の発声関与筋が硬く、喉頭深奥ポジションが存在し、輪状甲状関節の動きが乏しい場合、どんなに練習してもどんなに頑張っても、求める高音発声は簡単ではないと考えます。《当サロンは発声の運動性を高めるのが目的であり、施術中に①エア・インや②コンパルソリー・ビブラートの練習法はお伝えしておりません。それらは発声とあなたの喉を正確に知る歌の先生に尋ねてくださいね。稀に講習会等を開催し、その中では多少のテクニックを伝えております。各種情報は喉ニュース目次の「講習会情報」を随時チェックしてください》

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~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2014-08-30 00:09