2014年 08月 14日
閉鎖筋を使えるようにするには拮抗作用の開大筋も鍛えなければ意味が無い!
筋肉の重要な特徴は、収縮はできても伸長が困難であること。
他の筋肉に伸ばしてもらう。
これを拮抗作用と言います。
さて、よく「ボイストレーナーの先生から閉鎖筋を使いなさいと指導を受けますが、どうやって鍛えれば良いですか?」と質問をいただきます。
ちなみに閉鎖筋とは運動の様子を表す名称で、正しくは外側輪状披裂筋・横披裂筋・甲状披裂筋の三つが主。
まず、自分自身のこの3つの筋肉の場所を正確に認識し、その動き具合や様子を判別できるひとは、この世にいらっしゃるでしょうか?
きっといないと考えます。
発声関与筋は随意筋ですが、感覚を持ちえない特殊な筋肉。
ちなみに、あなたはドとラの音階の違いを、どの筋肉によって生成しているか知っていますか?
実際に発しながらその場所を正確に指し示せますか?
さて、拮抗作用について話を戻しましょう。
外側輪状披裂筋・横披裂筋・甲状披裂筋の拮抗筋は、後輪状披裂筋です。
前者が3つに対し、後者は1つで大丈夫かとの心配が聞こえてきそうですが、この後輪状披裂筋は筋面積が大きいため、バランスが取れているのかもしれませんね。〔摘出喉頭触知研究で確認済み〕
したがって、この後輪状披裂筋が大きく作動してこそ、声門裂をしっかり閉じるための閉鎖筋が活躍できるのです。
他の部位の筋肉で例えるなら、ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)さえ鍛えれば良いと思いますか?
大腿四頭筋の拮抗筋は、ももの裏面の大腿二頭筋。
この筋肉も同時に鍛えなければ、ひざを曲げる運動が成り立ちません。
是非、閉鎖筋と開大筋の両方を知ってください。
追記1:斜披裂筋は声門を閉じる筋肉ではないのかと問われますが、摘出喉頭触知研究で、横披裂筋をガードしたり、横披裂筋の動きを補助したりすることが主のような気がします。あなたはどう思いますか?
追記2:十年近く発声しながら外皮からの触知実験を繰り返していて判明したことがあります。閉鎖筋が動作するとき90%以上の確率で〇〇〇〇〇〇〇が起こります。この事実を知っていれば、閉鎖筋と開大筋の動きを感知する可能性も出てきますよね。さあ、頑張って!!!!!
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2014-08-14 03:29