2019年 05月 23日
ハミングの科学【過去記事再掲載】
まず、知っていただきたいのは、ハミング中でも声帯は振動している事実。
よく、「ハミングは、声帯ではなく、軟口蓋が震えているんだよ」とか「ハミングは、声帯でなく、鼻の中の粘膜が振動している」とおっしゃる方がいます。
以前、ハミングしながら鼻からの喉頭ファイバーで検証した経験があります。〔下絵参照:医師の協力による〕
その結果、声帯は細かく振動していました。
口を閉じることで、呼気とそれに伴う音波は鼻腔を通ります。
その結果、軟口蓋や鼻腔内部が鳴っているように感じるのです。
でも、実際は単に振動を感じているだけ。
軟口蓋や鼻腔粘膜で音を作っているのではありませんからね。
追記:つねに大切な真実を忘れてはいけません。それは… 音は空気の波(振動)であること。空気が存在しなかったり、一瞬でも遮断されたりすると、音は伝わりません。口を閉じると体外と交通していないような錯覚に陥りますが、鼻を通じて体外に放たれています。ちなみに、口を閉じ、鼻をつまんで発声してみてください。音声は作られません。なお、唸るような音が可能なひともいるでしょう。これは、声門を通過した音を伴う空気が、口や鼻の出口付近まで流動する際にできるもの。気体閉鎖環境に変わりがないため、決して長い時間の発声は無理です。そして、ハミングに話を戻しますが、鼻腔共鳴腔の使用で、①共鳴通路が細くなる、③共鳴通路が長くなる、③呼気の排気量が減る、の3点により、あの独特のハミング音色となるのです。
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2019-05-23 13:31