大きな声=良い声!?


聴比較ブラインドテストをしました。
合計10名の老若男女に協力いただきました。
一斉集合ではなく、バラバラに催行しました。
以下が、毎回のやり取りの文言。

會田:今日は、ご協力ありがとうございます。今から同じ曲を続けて二回聴いていただきます。曲は同じでも、再生装置が異なります。聴き終わった後、どちらが良い音だったかを判断してください。つまり、どちらのオーディ機器が優れているかを知りたいのです。曲は、ピットブル「Feel This Moment」の極上音源が手に入ったので、これを使用します。驚かれたかもしれませんが、何を隠そう、わたしはラップも大好きなんですよ。それに、この曲には、ふり幅の大きな音域(低音から高音まで)や多種多様のリズムや音色が内包されているため、最近のマイ-リファレンス曲としています。録音状態も極上です。それでは始めましょう。難しく考える必要はありません。ご自身の気に入った方を選べばOKです。
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二曲続けて聴き終わった後、評していただきました。
結果、必ず後者の音を選んだのです。
そう、10名全員です!
それほど後者の音が良いなら、かなり高額なハイエンドオーディオを用いたことが予測できます。
実際は・・・
以下が、結果に対するネタばらしの文言。

會田:ありがとうございます。後者の音が良いと感じたのですね。実は、他の方も後者を選びました。
某被験者:やはり、そうですよね。後者の音は、前者より、響きや音色がすごく良かった。前者はチープなステレオで、後者は超高級なんでしょう?
會田:まず、前者のオーディオ機器ですが、音源はPCのハイレゾ音源、プリメインアンプはマッキントッシュMA6700、スピーカーはB&W 805 Diamondです。そして、後者のオーディオ機器は・・・・・・、まったく同じです。
某被験者:えっ!?
會田:そう、まったく同じオーディオ機器なんです。前者と後者の違いは音量のみ。
某被験者:音量?
會田:そうです。前者に比べ後者は、ボリュームを5%アップさせただけなんですよ。
某被験者:わぁぁぁぁぁ。
會田:大丈夫ですよ。決してあなたの耳が悪いわけではありません。これは誰もが引っ掛かるワナ。これまで何度も試したのですが、同じ音源、同じ再生機器、同じリスニングルームでも、音量をちょっと上げるだけで、良い音に聴こえるようなんです。これは、発声にも応用できますね。いつもより大きな声を出せば、他者から「今日は良い声だね」と言われるでしょう。元気な声は、周囲を明るくします。是非、日常会話や歌唱に活用してください。ご協力に心より感謝いたします。

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追記1:なお、曲によって音の大きさが明確に定められているクラシックでは、音量ではなく音圧を上げると、良い声だと認識されます。




追記2:音声音響研究所のアンプやスピーカーは密集して置いてあります。アンプやスピーカーはセレクターで切り替えが可能。今回、5つあるアンプの電源をすべて入れ、スピーカーも並列させ、どれが鳴っているかわからないようにして試聴していただきました。




追記3:今回のテストの音量は㏈ではなく、マッキントッシュMA6700の%表示を利用しました。(矢印部分)
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~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2013-11-19 00:01