声の短問短答【続編】116


「ボイスケアサロンに通っただけでは歌はうまくならないの!?」

半分Yesで、半分Noでしょうか。
こちらでは、歌のテクニックではなく、発声を運動と捉え、その性能を上げていくのが最大の目的。
テニスで例えるなら、スピンサーブやドロップボレーの仕方を学ぶのではなく、サーブやボレーのときの肩の動きや筋力を向上させるようなもの。
つまり、どのスポーツにも対応できる基礎能力と言っても良いでしょう。
声に戻ります。
発声に関与する運動性能がアップすれば、どのような歌もうまくなる可能性は増えます。
クラシック(声楽やオペラ)であっても、J-POPであっても、R&Bであっても・・・
ジャンルは問いません。
結局、何でもこなせる。
是非、さまざまな種類の歌を歌ってみてください。
軽々いろいろ歌えるはず。
後は自由に選ぶだけ。
そう、そこに個性としてのアートを含ませたり、アイデンティティを強調したり。
しかし、どんなにがんばっても喉の運動性を獲得できないひとがいるのも事実です。
誰にも負けないほど、走る・飛ぶ・投げるの基礎運動力を身につけたとしても、必ずや世界トップのプロテニスプレーヤーになれるとは限りません。
これだけはトライしてみなければわからない世界ですね。
まずは、他のスポーツと同様、筋肉の柔軟性。
肝心なのは、共鳴腔を構成する軟部組織でしょう。
次に、筋力強化。
ここの重要点は、原音を作り出すためのⅰ声帯を動かす筋肉とⅱ呼吸関連筋。
最後に、歌唱の精度を上げるための可動域の拡大と筋力アップ。
ご存じのように輪状甲状筋などです。
これらが完成すれば、歌って意外に簡単。
声の質が格段に上昇していますから、通常の話し声〔会話声〕に、息を流し、メロディやリズムを付加すれば、見事な歌になりますよ。
そして、本格的なボイストレーニングで技術を磨けば、聴くひとを虜にするプロフェッショナルな歌唱が完成します。
このボイストレーニングは、当サロンでは扱っておりません。
あしからず・・・
ここは、優秀なボイストレーナーの出番!

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追記1:最近、感性と論理を併せ持った優秀なボイストレーナーが増えたと感じられ、誠に安心しております。レッスンの際は「この練習がどのような理由で」「どんな効果が期待できるのか」などを尋ねると良いでしょう。他を例にするなら、病院で注射や投薬を受けたとき「どの病気の症状に対し」「どんな治療が期待できるか」を必ず知りたいでしょう。これと同じ。




追記2:また、ひとによって「うまい」と「へた」の感じ方が異なる点も考慮しなければなりません。あからさまに音程やリズムが狂っている場合を除き、溜めて歌ったりポルタメントを乱用したり、さまざま効果を付加する歌手も大勢います。そこが個性であり、芸術となってきます。アートと言う言葉でくくれば、音痴でさえ一種の芸術かもしれませんね。





~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。




by aida-voice | 2013-08-17 02:51