声の短問短答【続編】108


「A先生はB先生の悪口を言うし、B先生は他のテクニックは間違っていると公言するなど、ボイストレーナー同士って仲が悪いのですか?」

わたしは歌唱テクニックを教えていないため、かなり中庸な立場で、多くのボイストレーナーや音楽教師の知人がいます。
初めて出会う先生方が集合した勉強会を開催したことがありますが、皆さん名刺交換するなど、和気あいあいで催行できたのを覚えています。
しかしながら、確かに意見や理論が異なる先生方がお互いを誹謗中傷している様子を何度か目撃しています。
意見や論理が食い違うのは仕方ないと考えます。
だってピタッと合う訳がないから。
そもそも、発声に関係する軟部組織(筋肉・粘膜・軟骨等)は、①形や数が不明瞭、②運動性があやふや、③動きの感覚が無い、など、他の身体の部位と比べかなり曖昧で、個人差も非常に大きい特徴があります。
100%同じである確率は相当少ない。
さらに、歌は芸術です。
そこには感性や好き嫌いも入ってきますよね。
したがって、それぞれの発声法の考え方が異なるのは避けられない。
そう、誰もがある程度正しく、誰もがどこか間違っているのです。
ただし、自分と違う意見に対し、頭ごなしに攻撃するのはいかがなものかと思います。
これまで幾多の先生に接していると、多くが生粋の芸術家肌なのですね。
自分を最高かつ最良だと信じていらっしゃる。
まあ、ここまで自意識を高めないと、漠然とした歌を教えるなんてできないのかもしれませんが・・・
と言うことで、他の先生の非難や悪口を述べるようなボイストレーナーの先生とのお付き合いがないため、これ以上詳しくわかりません。
ご質問者様が、歌唱知識も人柄も良い先生に巡り合えることを祈っております。

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追記1:同様に「自分に合うボイストレーナーや書籍を紹介して欲しい」と尋ねられますが、現在、上記の理由から回答を控えております。ヒトの発声の曖昧さは事実であり、他のスポーツのように「ひじを45度に曲げて」とか「右のももに力を入れて」と具体的な指示ができないため、教えているご本人さえどこがどう動いているか把握できていない。試しに「音階のドとラを発する際の筋肉を正確に使い分けながら正しく解説してください」と問い掛けても、正解を頂戴した例がありません。常にイメージ。わたしもイメージの重要性は十分承知しておりますが、すべての発声運動をイメージで伝えるのは、無理があるような気がします。これは、先生ご自身が、そのイメージで成功したからであり、それが万人に適合するかどうかは別の話。よって、生徒側は、それらをキチンと考慮して習うことが大切。もしかすると、先生よりも正しい知識がないといけないのかも!?




追記2:このように考えると、この喉ニュースだって怪しいですよね。間違いだらけかもしれません。八割程度の正しさと考え、妄信しないようご忠告申し上げます。不眠不休で研究および検証していますが、真の正論を導き出すにはまだまだ時間がかかります。




追記3:なお、わたしの周りにいる先生方(ボイストレーナーや音楽教師)は、皆、仲良しです!





~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。




by aida-voice | 2013-07-30 09:40