2017年 12月 26日
声帯結節と喉頭の硬さ【過去記事再掲載】
声帯結節と喉頭の硬さに関する大切なお話。
当サロンの施術録、および、一色クリニック(京都市)、はぎの耳鼻咽喉科(町田市)の外喉頭外来時の施術録、その他出張施術時の記録から、声帯結節罹患者のデータを抽出しました。
その数293件。(声帯結節の疑陽性および各所での重複者を含む)
なお、声帯結節の診断はすべて医師によるもの。
ボイスケアでは、初検時に必ず外喉頭の筋硬度を計測します。
その結果・・・
最低値38Tone、最高値86Tone、平均約53Toneでした。
つまり、一般的に推奨する30Tone以下(エリートボイスユーザーは20Tone以下)のひとはいなかったのです!
外喉頭の発声関与筋が硬いから声帯結節になるものではありませんが、声帯結節が声帯ヒダの過剰な刺激(ぶつかり合い)から生じる理屈を考えると、要因の一つと言っても過言ではないでしょう。
案の定、長年にわたって声帯結節に苦しんできた方々が、ボイスケアによって外喉頭の柔軟性を獲得した後、再罹患がほとんどなくなる事実からもわかりますね。
追記1:当サロンでは声帯結節の直接的な治療はしません。声帯結節になりにくい外喉頭環境を構築するのが目的。そう、声帯結節にならない、あるいは、再発しない強い喉を作ります。声帯結節の治療は優秀な音声専門耳鼻咽喉科(医師や言語聴覚士)へどうぞ。
追記2:発声に関与する外喉頭周辺筋が柔らかくなり、力みを伴わない発声を体得してしまえば、再び硬化して発声に悪影響を与えるケースは少ないようです。このあたりも運動と酷似。逆上がりを覚えてしまえば、長年鉄棒に触れていなくても、体が記憶しています。自転車に乗れるようになれば、長年乗っていなくても、体が記憶しています。これらと同じ。「おぉ、良い声だ!」「素晴らしい歌声ですね…」と感動を受ける声質の持ち主の外喉頭筋を計測すると、10~20Toneの数値が大多数を占めることが確認されています。やはり、良声に “過剰な力” はいらないのですね。なお、喉頭の筋高度は、計測場所(部位)や計測角度などさまざまな要因によって数値が若干異なってくるため、完璧な再現性は難しいと考えています。したがって、あくまで指標であり、数Tone異なったとしても一喜一憂する必要はないと考えます。また、筋硬度の数値が大きくても、病気ではなく体質や癖の一種と考えます。スポーツ時に「体が硬い」ひとがいても、病気とは言わないのと同じですね。
ボイスケアサロン
會田茂樹|あいだしげき
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2017-12-26 01:18