2017年 12月 30日
声雑談【過去記事再掲載】
以前も、発声、とくに歌唱は、楽器とスポーツの要素の積であるとお伝えしました。
そう、声を楽器とスポーツに例えたのです。
今回は、それぞれを、もう少し深く解析します。
数ある楽器の要素の中で、ⅰ楽器の形状や本態、ⅱ楽器の整備、を考えます。
ⅰウクレレとアコースティックギターは、相似形でそっくりなのですが音色が異なります。
それぞれに合った音楽がある。
喉も同じ。
喉頭や共鳴腔の大きさで声は違ってきます。
良い悪いはありません。
小さくても大きくても個性です。
ⅱ楽器は整備しなければ良い音で鳴りません。
これは喉も同じ。
一例を挙げると、外喉頭の筋肉が硬かったり喉頭の位置が深すぎたりする場合は、本来の声を発揮できません。
次にスポーツ。
数あるスポーツの要素の中で、ⅲ柔軟性、ⅳセンス、を考えます。
ⅲどんなスポーツも、体の柔軟性がなければ、より良いスポーツ選手にはなり得ません。
逆に体が硬い場合は、ケガをする恐れもでてきます。
また、筋肉は収縮するのが本態ですから、柔らかく伸長するほど運動のスピードもパワーも上がってきます。
喉も同じ。
声とは、呼気の空気を声帯に当てて振動させ(ベルヌーイの定理も活用)原音を作り出し、5つの共鳴腔で音色や響きを付加させ、口(一部は鼻や体部)から出てくる音のこと。
それら一連の行為にはすべて胸郭・喉頭・口腔の筋肉が働いています。
つまり、この点で発声はスポーツに酷似しています。
同じ筋運動として、声にもやはり発声関与筋の柔軟性が必須。
発声に関する筋肉が動かなければ、声は作られないことを知ってください。
その運動環境が重要になってきます。
声の運動環境を整えるのが、わたしの仕事。
ⅳこれは持って生まれたセンス。
小中学生のころ、野球をやってもサッカーをやってもバレーボールをやってもバスケットボールをやっても上手な同級生がいたはずです。
動きに対するセンスを持ち合わせているひとがいるのです。
歌にも生得的なセンスがあります。
ただし、後天的に磨くことも可能ですから諦めないでくださいね。
いっぱい良い音楽や歌を聴き、音や声の感性を養うことをお薦めします。
声って曖昧で不思議でステキ・・・
追記:多くの喉を触り、多くの声と歌を聞き、情熱を込めて研究してきました。まだまだわからないことだらけの通過点ですが、現考察に関するブレはございません。
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2017-12-30 15:58