声の短問短答【続編】94


「歌にリズム感がないのは過緊張性発声?」

そのケースも多いかもしれませんね。
生得的あるいは環境要因によってリズム感を得ていないこともありますが、喉頭の筋肉、とくに咽頭収縮筋と輪状甲状筋が力んでしまうと運動性を失い、リズム感が無くなってしまいます。
あるボイストレーナーに、次のような実験をお願いしました。
自分の得意とする楽曲をカラオケで歌い録音します。
そのときの甲状軟骨板上の軟部組織の筋硬度を測り、MAXの硬さを調べます。
次に、同じ曲を、喉に力を込めて歌ってもらいます。
筋硬度がプラス20Toneとなるよう目指し、その数値に達するまで何度も録音し直します。
両方の声だけを聞き比べ、波形に表し、比較してみました。
その結果、聞いた感じも、グラフでも、リズムがやや乱れるように感じました。
喉頭の筋肉をギュッと固めてしまうと、リズム感が損なわれるのは間違いないようです。
発声は筋肉の運動の産物。
もし、力んだ身体でダンスしたら、美しく魅惑的な踊りが完成すると思いますか?

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同一曲同一部位の発声グラフ
上:リラックスしている喉状態
下:故意に緊張させた喉状態








~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。



by aida-voice | 2013-06-13 00:03