2016年 06月 28日
シューマン共鳴波は声を良くする? 悪くする? 変わらない?
サロン内の防音室(ヤマハのアビテックスDr-35:天井に高性能集音マイクを埋め込み、計8つのスピーカーを配して、室内残響を音楽ホールに似せた特別仕様)に、アコースティックリバイブのR-777を高所に設置しました。
その後、音声音響研究所の完全防音室内へ移設して検証を続けています。
R-777は、7.83Hzの電波を発生させて聴覚環境を向上させる機器です。
本サロンでも、2013年1月より導入しています。
そこで、さらに積極的な調査を行うべく「シューマン共鳴波は声を良くする? 悪くする? 変わらない?」を考えてみます。
感覚とデータを比較してみましょう。
~方法~
●準備した防音室を利用
●R-777の停止時と起動時の発声の感覚と録音した歌声を聞き比べる
●同時に、声門〔figure1〕とオクターブバンド3次元表示〔figure2〕を計測
●歌は Nessun dorma(Giacomo Puccini)
●主な感点および計点はラストの All'alba vincero! Vincero! Vincero! 部分(最高ピッチは一点ロ〔B・H〕)
~報告~
●全体の音場がやや広がった
●高音域の密度が増した感覚を得た
●中音域の発声のつながりがスムーズに感じた
●声が出しやすくなった気がする
●最高音発声に関しては差を感じなかった
●声門とオクターブバンド(3次元表示)には大きなグラフ変動はない
●ただし、精査すると、音の密度やスムーズ性が良くなっているようにも見える
残念ながら、感じ方も数値も、常に100%完璧な向上結果は得られませんでした。
しかし、シューマン共鳴波が発声や音声を悪くする要素は見当たらないため、「シューマン共鳴波は声を良くする」可能性があると言えます。
追記1:上の二つのグラフは會田の歌声「誰も寝てはならぬ」を測ったものです。
追記2:やはり声って声帯振動を気体振動へ変換させる一連の行為なのです。そして、その気体振動の質を共鳴空間で高めた状態が美声。そう、空気の無い場所で声は存在しないことを再認識してください。その曖昧性があってこそ芸術へと昇華するのです。
追記3:3年以上使ってみて…、このR-777を用いると、聴く音が向上するだけでなく、発声時は“声のキレ”が良くなると感じています。ここぞと言うレコーディング時の活用をお勧めします!
追記4:その他の面白いアイテムとしてアイテック・ラムダ3.16ミニプレミアム(Λ3.16mini The Premium)があります。音声音響研究所で活躍しています!
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會田茂樹|あいだしげき
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2016-06-28 11:56