2013年 03月 23日
声の短問短答【続編】59
「習っている先生から『お酢とおろしショウガを紅茶に入れて飲めば喉が温まって柔らかくなるので毎日実践しなさい』と言われましたが、正しいのでしょうか?」
まずはショウガ。
ショウガの辛み成分であるショウガオールおよびジンゲオールには血行を促進して体温を上昇させる作用があります。
ここで考えなければならないのは、全身を温める効果であり、喉周辺のみを個別ターゲットにしているわけではないことです。
この事実を周知していれば『喉が温まる』との趣旨は、決して誤りではありません。
以前、ショウガから抽出した濃厚なジンジャー液の投与前後で、筋硬度と声の様子を調べたことがあります。(筋硬度に変動なし、声も大きな変化なし)
それどころか、服用した直後は内喉頭がヒリヒリして「これじゃ歌えないよ!」と不評でした。【苦笑】
次にお酢ですね。
お酢を使って料理すると肉がやわらかくなる経験から「酢を飲むと体がやわらかくなる」との俗説が出来上がったのでしょうが、科学的な証拠はなさそうです。
体と体質の科学〔Newton別冊〕には『知るかぎりでは柔軟性を高めると証明された食品は無い』と書かれています。
したがって、このスペシャルドリンクでは声への好影響は少ないかもしれませんね。
ちなみに、わたしの疑問は「はたして美味しく飲めるのだろうか?」の一点です。
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2013-03-23 00:05