輪状甲状筋へのマッサージは垂部と斜部にわけて行うこと【過去記事再掲載】


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ご存じのように、輪状甲状筋は左右で合計4枚あります。
垂部と斜部にわかれ、それぞれ求める高音が異なります。
起始停止からも推察できるように、何よりパワーベクトルが違います。
これらを十分に理解した上で、適切な喉頭クリニカルマッサージを行いましょう。
摘出喉頭〔解剖は医師〕の触診研究で、輪状甲状筋の小ささと薄さに驚愕しました。
力を入れすぎると、筋線維は壊れて内出血します。
大量出血ではないため、痛みを感じるほどでなく違和感程度で済むでしょう。
しかし、重大な危機が迫ってきます。
しゃべったり歌ったりして発声を続けることで、微細な筋断裂は陳旧性瘢痕として残り、輪状甲状筋の正確な運動性能を阻害します。
つまり、今まで軽々発していた高音が出なくなるのです。
とても恐ろしいことです。
原因がわからず耳鼻咽喉科に駆け込みますが、声帯には問題なしと診断されます。
受傷してから処置が早ければ、元に戻ります。
そのためのさまざまな施術方法があります。
しかし、1年以上経過した場合、瘢痕が固着していることや、垂部と斜部の筋膜が癒着してしまい、改善が困難となります。
加温による血流増加後にストレッチを丁寧に繰り返すことで回復することもあります。
残念ながら、改善不可が多いのも事実です。
さらに、輪状甲状筋の直上には、甲状腺・胸骨甲状筋・甲状舌骨筋・胸骨舌骨筋・肩甲舌骨筋・広頚筋が乗っかっています。(一部分に過ぎない筋肉もあり)
輪状甲状筋、中でも垂部と斜部をわけて触知するには、かなりの指先訓練が必要です。
復唱となりますが、喉頭各筋はまことに繊細です。
周到な知識と卓越した実技が伴ったマッサージを希求してくださいね。



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米国での摘出喉頭〔解剖は医師〕触診の様子を描いた絵
親指と輪状甲状筋の大きさを比べてください
本当に小さいですよ…





追記1:★喉頭マッサージやストレッチを受けるときの注意★
この頃は、声のために外喉頭を施術する所もちらほら開設されているようです。声が出しやすくなったり、美声に近づいたりするチャンスが増えたのは、大変喜ばしいことですね。是非、お近くの施術所で発声運動能力をアップさせてください。ただし、注意点があります。受診する際は、以下の条件を満たしている先生に施術をお願いしてください。
①片手間でなく、喉を専門で行っていること
②喉頭医学と発声(歌唱)科学に相当の知識があること
③摘出喉頭触診の経験があること〔医師との共同研究〕
④外皮からの触診技術が卓越していること
⑤音声専門の耳鼻咽喉科で専門外来を経験していること
⑥常に医師(病院)と連携していること
喉頭は繊細です。壊れやすいのも大きな特徴です。筋損傷や失神程度なら回復できますが、万が一、反回神経麻痺を引き起こしたら一生声がかすれたり(片側)、まったく出なくなったり(両側)しますよ。断裂タイプの麻痺は治りません・・・。とっても不幸な結果になります。適切かつ優秀な先生の元なら恐れる必要はありません。喉頭マッサージは声に効果的。きっと、極上の声を作り出していただけることでしょう。
また、喉頭マッサージやストレッチは、素人の方は簡単にマネしないでください。当サイトに記載した内容(喉体操や各種発声法)を試して事故を起こしても責任を持ちませんので、すべて自己判断で行ってください。



追記2:他所で喉周辺のマッサージを受けて声の不調で悩む方がいらっしゃいました。最初は胸鎖乳突筋の軽微な損傷かと思われましたが、精査したところ茎突舌骨靭帯が傷んでいました。靭帯が伸ばされ、長さに左右差が生じたのです。痛みより、発声時と嚥下時の違和感は否めませんね。さらに咽頭共鳴腔の構築が疎かになるため、声の響きや音色が劣化します。どうか、気をつけてマッサージを受けてください。



追記3:現在、当サロンでは、喉頭クリニカルマッサージではなく、ピンポイントマイクロストレッチを行っています。より繊細に、より正確に、発声関与筋へのアプローチが可能となりました!


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~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。






~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。





by aida-voice | 2016-02-09 06:26