声の短問短答【続編】16


「のどの筋肉が柔らかい人は風邪ひきにくいって本当ですか?」

はい、その可能性が高くなります。
それは血流が関係します。
順に追ってみましょう。
①喉頭の筋肉の柔軟性がなくなる
②筋硬化
③喉頭周辺の筋肉は、主にベクトルが頚椎方向であることと、明確な拮抗作用が少ないため、喉頭深奥ポジションになる
④甲状軟骨舌骨間がせまくなる
⑤上喉頭動脈が圧迫される〔声帯周辺に血液を送り込む重要な血管〕
⑥血流量が低下する
⑦酸素や栄養の供給が減少し、免疫力の低下が懸念される
⑧さらに分泌液も減り、粘膜が乾燥しやすくなる
⑨粘膜の乾燥によって菌やウイルスの付着および感染の可能性が高まる
おわかりになったでしょうか?
実際に、十年来、6月(エアコン開始時期)と11月(寒くなってくる時期)に必ず風邪を引く歌手がいました。
調べてみると、喉頭の筋肉が硬く喉頭深奥ポジションの状態。
上喉頭動脈の血流も通常より少ない。〔超音波血流計を使用〕
各種アプローチで改善した一年後、報告をいただきました。
「これまで毎年二回は風邪ひいていたのが、まったくひかなくなりましたよ!」と。
風邪やインフルエンザに罹患する要因はさまざまあり、この内容だけがすべてではありませんが、予防の一つ(リスク回避)にはなり得るでしょう。
今年も寒くなってきました。
お風邪を召されませんように。


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追記:風邪を引いたとき、咳やくしゃみに気をつけてくださいね。咳やくしゃみによって、喉頭の筋硬化や喉頭深奥ポジションに向かいやすいこともわかっています。くしゃみの正しいやり方は、以前の記事に記しました。参考にしてください。


声の短問短答【続編】の詳解
by aida-voice | 2012-10-28 00:10