2012年 07月 18日
顎二腹筋が硬くなると開口が大変!?
そうなんですよ。
顎二腹筋が硬くなると、口が開き難くなる可能性があるのです。
実際に顎二腹筋が硬いひと数名に集まっていただき、検証しました。
その結果、硬さに準じて開口不全の様態が明らかになりました。
両側のひとは両方の顎が、片側のひとは該当側の顎が、開き辛いのです。
もちろん、顎関節に器質的な疾患があるわけではないため、声が出ないとか食事ができないなどはありません。
構音や発声のコントロールがやりにくくなる。
なぜでしょう?
それは、顎二腹筋の特異な形状にあります。
側頭骨の乳様突起から始まり、舌骨上の中間介在腱を経由し、下顎骨の内側(二腹筋窩)で終わります。
この筋肉は、前腹と後腹の二つの腹を持っているのが特徴。
役割としては、嚥下時の舌骨を挙上およびホールドすること。
また、舌に付着する筋肉とも隣接し合っているため、口の開け閉めにも大きく関与〔補助〕します。
形状を、よく見てください。
L字なのです。
つまり、力が入り過ぎたり硬くなったりすると、ベクトルが奥上方に向き、深く押し上げられます。
これによって、顎関節のヒンジ運動、および、スライド運動が妨害され、開口が大変になるのです。
改善(調整)方法はあります。
まず、後腹から。
乳様突起から舌骨体に向かって両母指腹で優しく押しながら筋線維に沿ってストレッチします。
次に、前腹。
同様に両母指腹を用います。
舌骨体の中間腱から軽く揺らしながら(ふり幅は5ミリ程度)下顎骨の二腹筋窩までMassage(軽擦法)をしましょう。
骨への付着部近辺の筋腱移行部はとくに念入りに。
ただし、このあたりには、耳下腺・顎下腺やリンパ節がありますから、十分な注意も必要です。
発声時に「口が開けにくい」と感じたときは、顎関節の直接の動き具合と共に、顎二腹筋の様子も詳しくチェックしましょう。
実際、顎二腹筋の柔軟性を獲得しただけで、「声が大きくなった」「滑舌が良くなった」「声の響きが増した」など、良声へと転じた方々が大勢おりますよ。
by aida-voice
| 2012-07-18 00:34