2011年 12月 16日
茎突舌骨靭帯の重要性は?
甲状軟骨は吊り下げられている・・・
これは周知の事実。
茎状突起から、甲状軟骨翼後端への茎突咽頭筋と舌骨小角への茎突舌骨筋の左右計4本ですね。
おおざっぱに述べれば、この4本の筋肉で吊り下げられているのです。
ここで、もう少し踏み込んで調べてみると、茎突咽頭筋は主に筋組織が主なのですが、茎突舌骨筋には何やら並走する軟部組織があったのです。
それが、茎突舌骨靭帯です。
じんたい?
そう、靭帯(じんたい)です。
靭帯は、膝などの関節を取り巻いて支持したり骨同士をつないで関節を形成したりしています。
成分は結合組織。
解剖して確認すると、やはり白っぽいすじに見えますね。
さて、本題です。
なぜ、靭帯なのか?
本当に必要なのか?
神のみぞ知るところではありますが、もし、この茎突舌骨靭帯が無かったと仮定します。
その際、起こりうる事象を一つずつ述べてみましょう。
まずは、良い点。
ベクトルから考察すると、舌骨が前方に移行しやすくなります。
これは、咽頭共鳴腔を拡大させますから、声に響きが増します。
次に、悪い点。
舌を支えきれなくなりますから、下にさがり、飲み込みや滑舌に影響を与える可能性がでてきます。
舌は大きな筋肉の塊(かたまり)。
下顎オトガイ棘に付着し〔この部分が舌根!〕、クルッと回って舌骨に乗っかっていますね。
以前、音声専門医に訊いたとき、「要らないと言えば要らないかもね」とおっしゃっていました。
特別重要ではないが、役目はしっかりある。
ただし、外力によって切れた場合(首を絞められたり、無茶なマッサージを受けたり、交通事故で頚椎を傷めたり・・・)、痛みを伴いますから、やはり危険であることには変わりないですね。
喉頭周辺の外傷には十分お気をつけください。
by aida-voice
| 2011-12-16 11:18