2011年 11月 04日
大道めぐみ先生の論文
広島の優秀なボイスアドバイザー:Meggyこと、大道めぐみ先生から論文が届きました。
ここに供覧します。
ありがとうございます。
共鳴腔と筋肉の使い方
大道めぐみ
ヴォイストレーナーになって、7年目。
私は音楽大学卒業や、音楽の専門学校など音楽に関する知識がほとんどゼロに近い状態で、歌が好きということだけでヴォーカルスクールを始めました。
最初は10人だった生徒さんが、現在は100名ほどになりました。
トレーナーになったきっかけは、東京が本部で全国チェーン展開しているヴォーカルスクールで、まずオープニングスタッフとしてスタートしました。
知識がほとんどないので、本部のマニュアル通りにやるしかなく、そのマニュアルも「よくわからない」 状態でレッスンをしていました。
自分が理解・納得していないので、生徒さんもなかなか納得できなくて、そこから、マニュアルを脱線し、自分がわかりやすいように、勉強し、レッスンをしはじめました。
そうすると、生徒さんの理解も早くなってきました。
マニュアルが嫌いな私は、気が早いのか、1年でそのチェーン店のヴォーカルスクールを辞め自分のスクールを立ち上げました。
無謀だと思いましたが、なんだか根拠のない自身がありました。
しかし、自分自身のスキルアップ、そして生徒さんのスキルアップをもっとして、グラミー賞並の歌唱力を持てるスクールにしたい! と考え、インターネット、本などをたくさん読みました。
そんな中、AKIRA先生、ヒロキ先生と出会い、そこで會田先生を知りました。
自分が接してきた方々と桁外れの知識、実力を感じ、なんだか扉がひらいたような感覚でした。
ボイスアドバイザーの資格を取得しようと思い、まず最初に勉強したのが、「5つ共鳴腔」の存在でした。
日本人は「喉」や「口」がメインで歌っている方が多く、 これは日本語という言語、そして、伝統からそうなるかと、考えはじめました。なぜ海外の方(特に英語圏)は歌が上手な人が多いのか。と。
そんなある日、英会話の教師の方に、「日本語とポルトガル語は歌には向いていない。英語とイタリア語が歌にとても向いているんだよ」と聴き、なぜか尋ねると、「日本語やポルトガル語は言葉が止まるように作られてるんだよ。
それに比べて、英語、イタリア語は流暢なんだよ」と教えてくれました。
わたしもシンガーとして活動もしていて、よく英語の歌を歌います。 日本語も美しいのですが、たしかに、慣れてくると英語の方が歌いやすいことに気づきました。
言葉が流暢もありますが、息の流れが流暢。と言ったほうがいいでしょうか。
そこでいろいろと歌っていくうちに、英語は共鳴腔を気持よく、境目なく音が行き交いしていることに気づきました。
日本語にはない発声もあり、その作りはかなり柔らかさ、滑らかさが必要なことがわかりました。
「持って生まれたモノ」が素晴らしい人がいることもほんとにいるのだということにも気づきました。
それと同時に、しっかり動かせる共鳴腔もあり、そこを使うと、自分の声じゃない声も作れることがわかりました。
「咽頭共鳴腔」が最も重要な共鳴腔。 これを知った時に、納得しました。
私は、昔からモノマネが好きで、その歌手の歌い方をすぐ真似してました。 言われてみると、「咽頭共鳴腔」がよく動いていました。
まるで梅雨に鳴いているカエルの喉のように・・・・・・
しかし、生徒さんたちには「咽頭共鳴腔」を動かしてくださいと伝えてもわからない。と思い、日常でやってる動作を使って、お伝えしました。
意図的にそこを使う・・・・・なかなか難しいですが、最近では皆さん、かなり使えるようになってきて、声にハリとツヤが出てきました。
しかし、「咽頭共鳴腔」がわかっても、意識しすぎると今度は喉周辺の筋肉に力が入る方が多く、息の流れが止まってしまう結果になる人もいました。 喉だけでなく、胸、お腹にも・・・・・・
「声を出す」ことは「パワーを使う」だから「力を入れる」これがみなさんの考え方で、私もずっとそうだと思っていました。
しかし、リラックスこそが、良いこえを作ることがわかり、そこをレクチャーして、基本の腹式呼吸の再確認をして、そこで「共鳴腔」をきちんとお伝えすることにしました。
そうすると、みるみる生徒さんたちの声が変わっていくのです!!!!!!
本人さんたちもびっくりするほどに!!!!
そうすると、音程に不安だった生徒さんの音程も改善し、ステージでのパフォーマンスに今ひとつ何かが足らなかった生徒さんなどが成果を上げ始めました。
共鳴腔の熟知、自分の身体のパワーを使う場所、リラックスする場所がわかるようになった時、「楽器」としてのクオリティアップになるのだと実感しました。
by aida-voice
| 2011-11-04 02:32