2011年 10月 25日
検証 高田三郎先生の理論
発声法、中でも高音発声獲得技法に関して最も質問を受けるのが、「弓場先生のメソッドは効きますか?」、「高田先生の理論は正しいですか?」です。
今日は、高田三郎先生の理論を考えてみましょう。
高音域声帯振動部削減における連続的固定位置倍音節決定高田仮説について
実は、わたしが声楽に傾倒しているとき、高田三郎先生のご著書『高い声で歌える本』をバイブルにしていたのです。
ボロボロになるまで読みました。
繰り返し、繰り返し。
自宅と仕事場に2冊購入しました。
さらに、知人の歌手にも紹介し、内容をわかりやすく解説もしていました。
それほど秀逸な御本なのです。
これまでに、高田三郎先生の理論に関して多くの質問をいただきました。
100件は超えているでしょう。
問われるのは、いつも「正しいの?」です。
答えから言えば、『高音域声帯振動部削減における連続的固定位置倍音節決定高田仮説』は正しいと思います。
「思う」と答えたのは、実は、わたしにも難解すぎて、正確に判断できないから。
そうです、間違っている箇所はありません。
わたしは、高田三郎先生の理論を検証するため、医師と一緒に各種喉頭ファイバー検査や、化学処理されていない生(ナマ)の摘出喉頭の解剖実験など、何度も試してみました。
その結果から、誤りはないと推論を下しました。
ちょっとだけ追加すると・・・
世の中は進歩しています。
高田三郎先生の『高い声で歌える本』は、2002年2月が初版です。
現在は、この時代より少しだけ、新たに解明できた領域もあります。
これは当ブログで掲載すべきものではありませんので詳細は割愛します。
ポイントは、①二次元考察でなく三次元考察の進化、②発声にまつわる運動生理学の進歩、③喉頭筋の正確な活動状況の把握などでしょうか。
発声に関する他著者の書籍に関しても、この点が同様だと思われます。
最近、発声科学を誤解したトレーニング法を記したボイトレの本を見かけました。
それに比べ、10年近くも前に、これだけの理論を提唱された高田三郎先生の頭脳と感性には頭が下がる思いです。
お見事です!
わたしはボイストレーナーではありませんので、テクニックやメソッドは教えていません。
より効果的な新トレーニング法の誕生を楽しみにしております。
高田三郎先生のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。
参考文献
『高い声で歌える本』(株式会社リットーミュージック)
『高い声で歌えるデイリー・トレーニング・ブック』(株式会社リットーミュージック)
~メッセージ~
この記事は投稿時の情報・見解・施術法であり、最新・正確・最良でない可能性があります。内容に関し一切の責務を負いません。その旨ご承知いただきお読みください。會田の理論と技術は毎日進化しています。
by aida-voice
| 2011-10-25 00:37