2016年 02月 06日
輪状甲状関節の動き【過去記事再掲載】
輪状甲状関節の動きによって、高音を出したり声を張ったりすることはご存じでしょう。
発声に関する多くの本には、輪状軟骨が下に倒れ込んでいく図が描かれています。
しかし、これはもしかすると、ちょっと間違いかも。
本来は、輪状甲状筋の垂部の動きによって、輪状軟骨が上へ移動するのを確認しました。
しかし、甲状軟骨と舌骨は茎突咽頭筋〔A〕と茎突舌骨筋〔B〕によって吊り下げられています。(最下絵を参照)
したがって、この軟部組織(筋肉)の伸びによって、甲状軟骨も下方移動します。
発声の書籍で『高音発声時は甲状軟骨が下がる』趣旨の図が描かれていたら、完全正解でなはない可能性に注意して読み進めてくださいね。
声帯は粘膜と筋肉から成っています。
金属や木片で作られているのではありません。
喉の中に機械は入っていません。
妖精もいません。
これが真実です。
真実から目をそむけないで・・・
※各絵は動きの様子をわかりやすくするため輪状軟骨関節窩近辺を省いて描きました※
追記:~輪状甲状関節および輪状甲状筋に関する触診検証~
甲状軟骨および輪状軟骨を正面とし左指で甲状軟骨外端を持ち、右指を輪状軟骨下部から入れ、上絵は最大に広げ、下絵は最も縮めて、その際の関節の位置・動き具合・声帯の伸縮を調べている様子を作画したもの。青丸:輪状甲状関節の可動範囲 緑矢印曲線:動きの軌跡 赤点:喉頭隆起(のどぼとけ)
~重要なお知らせ~ ●外喉頭から考究する発声の理論と技術は日々進化しています。この記事は掲載時の情報であり、閲覧時点において最新・正確・最良でない可能性があります。すべての記事の内容に関し、一切の責務を負いません。●記事の内容は万人に適合するものではないため、当サロンの施術に関し、記事の内容通りの効果や結果は保証も確約もしておりません。〔当サロンでは役立てないと判断された場合、理由を問わず施術をお断りします〕●声や喉の不調は、最初に専門医の診察を受けてください。歌唱のトラブルは、最初にボイストレーナー(音楽教師)にご相談ください。
by aida-voice
| 2016-02-06 22:24