「喉の力を抜きなさい」って本当にできるの?


以前、日本人の喉は硬い(筋肉の緊張度合いが高い)とお伝えしました。

その率は、10人に8人程度。〔もっと多いとおっしゃる先生もおります〕

結構、多いのに驚きます。

その原因は定かではありませんが、日本語独特の発声も一因かもしれません。

どういうこと???

日本語は、母音、ならびに、子音と母音の組み合わせが主。

一つひとつ分解できる要素があります。

たとえば、『机』。

幼児期、言語を覚えるとき、いきなり漢字で書いたりはしませんよね。

『つ・く・え』とジャポニカ学習帳などに一字一字を書き込みます(微笑)。

そして、音読します。

『つ』『く』『え』と。

このとき、喉では何が起こっているのでしょうか。

発声は運動に似ています。

つまり、動いて休んで、動いて休んで、動いて休んで・・・。

100メートル競争する際、Aコースは100メートルを一気に走る。

Bコースは10メートル毎に、一旦、立ち止まって
再スタートをして100メートルを走りきる。

さあ、どっちが楽でしょう。

どっちが大変でしょうか。

もう、おわかりですよね。

日本語はBコースに近い。

なお、英語などはAコースです。

Desk(机)を発するとき、『De』『s』『k』と三分割して言ったりはしませんよね。

つまり、息の流れがあります。

古来より国語の授業では、「はきはき音読しましょう!」と推奨されます。

そう、過度な『はきはき』が曲者なのです。

喉頭を硬くする癖が身に付きやすくなります。

しかし、声が出ないとか、しゃべられないといったトラブルではないため
決して病気ではなく、単なる癖なのです。

放置しても問題ありません。

ただ、良い声や思い通りの歌声が難しいだけなのです。

だんだん、お話がずれてしまいました。

軌道修正して、「喉の力を抜きなさい」に戻ります。

そう、無意識の状態で喉の力を抜くことができるのは2割ほどで
残り8割のひとにとって簡単ではないでしょう。

これが答え。

あなたは、どっちに属していますか?

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緑丸部分の柔軟性が大事ですね!
Can you relax the larynx?







追記:AさんとBさん、似たような声(音色や音程など)を出しているとしましょう。しかし、同じ音でも、使っている(その音質を作る)場所が異なるケースが多いのです。例えば、ご存じのホイッスルボイス。触診や喉頭ファイバー画像で検証した結果、2種類の出し方があります。D氏は主に声帯を極限まで薄くする粘膜操作によるもので、A氏は咽頭共鳴腔をソプラノリコーダーのように細くしているのです。出し方は違いますが、同じホイッスルボイス。そして、どちらが良い悪いもありません。このような事態がなぜあるのでしょうか? それは、発声する喉の構造と個体差の存在。音声は、二枚の声帯の特徴と、5つの共鳴腔の特徴と、それらの複合的運動行為によって作られるから。やっぱ、声って曖昧で複雑。そのあたりに、ひとを魅了する秘密があるのかも・・・






~メッセージ~
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by aida-voice | 2011-08-20 12:12