甲状軟骨に比べ、なぜ舌骨は前方に出にくいの?


その答えは、各筋肉の付着部位にあります。

発声や嚥下・摂食に関する多くの筋肉は、舌骨を
“ターミナル”
としています。

主な筋肉を列挙してみましょう。
・肩甲舌骨筋
・胸骨舌骨筋
・甲状舌骨筋
・オトガイ舌骨筋
・舌骨舌筋
・顎二腹筋
・茎突舌骨筋

これらはすべて舌骨に付着しています。

それでは、次に甲状軟骨を調べてみましょう。
・輪状甲状筋
・茎突咽頭筋
・咽頭収縮筋

主なものは、このくらいでしょうか。

確かに少ない。

そう、舌骨を中心として筋群が構成されています。

そして、以下の特徴が重要なのです。
1:力の強い筋のベクトルが後方に向かっている
2:正確な拮抗筋が少ない
3:中咽頭収縮筋の走行と結合組織の個人差が大きい

このことから、舌骨は前に出にくいことがわかります。

しかし、声の音色として最も重要な部分は、この舌骨の奥にある咽頭共鳴腔。

舌骨が前方に出ることを「喉をあける」「喉を開く」と
表現されていることは周知の事実ですよね。

輪状甲状筋も大切ですが、もっともっと、舌骨を知ってください。








※摘出喉頭の触診による舌骨の形状チェック(解剖は医師)
甲状軟骨の喉頭隆起を上向きに置いて・・・
①舌骨の大きさと太さ
②周辺軟部組織の状態
③舌骨の引き出し検査
を行いました。
その様子を絵にしてみました。
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舌骨って不思議!!!
①多くは馬蹄形(U字)だが、V字やリング状の個体差もある
②空中に浮いている(茎突舌骨筋などで吊り下げられている)
③ヒトの骨の中で唯一関節を形成しない(甲状軟骨や麦粒軟骨は骨でない)
④ヒトの骨の中で成長が最も遅いと言われている(骨端閉鎖の時期)
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~メッセージ~
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by aida-voice | 2011-08-04 10:38